東京はお台場にある「未来館」で明日まで開催されているイベントに行ってきました。
翼竜というのは恐竜と同じ時代に生きた空の王者です。
系統的にはかなり離れています。
羽毛ではなく、指と胴体の間の皮膜を翼にして飛んだと思われています。
現在の哺乳類コウモリと同様です。
後の羽毛恐竜や鳥の祖先とは類縁関係はありません。
どのような飛行能力があったのか?興味があります。
というのも、現存する鳥類でもコンドルやアホウドリほどになると自力で飛ぶのが非常に困難です。
彼らは風上に向かって必死に走ってやっと離陸できます。
飛び立ったあとは、風を読んであまり力を使わず飛ぶのです。
鳥類の胸には巨大な筋肉を支える竜骨があります。
それに比べて翼竜は巨大な体に鳥類ほどの筋肉があったとは思えません。
それと、どのようにして飛行をコントロールしていたのか?
初期の翼竜はランフォリンクスのように長い尾をもっていました。
(ランフォリンクスの骨格)
凧のシッポのように飛行を安定させる効果がありますが、後代のプテラノドンには尾らしいものはほとんどありません。
鳥類は尾羽で巧みに姿勢をコントロールしていますが、翼竜は鳥類とは別の航空力学的アプローチをとっていたのかも知れません。
そんな疑問の答えがあるのか期待して行ったのです。
行って勉強になりました。
今まで考えていたより翼竜は非常に空を飛ぶことに適した生物です。
恐竜と翼竜は三畳期以前に分かれた種です。
翼竜は恐竜と同じく三畳期に登場します。ところが、続くジュラ期、白亜期で恐竜が栄えたのに対し、鳥類の台頭で小型翼竜は早くから絶滅し白亜期後期にはケツアルコアトルスのような大型翼竜のみが残るのみだったようです。
私の疑問1
彼らはいかに飛べたか
翼幅10mもあったケツアルコアトルスでも体重は70kg程度と非常に軽い生物でした。
この軽さは恐竜や鳥類と同じ気嚢システムを持っていたことによります。
同時にこれは酸素を効率よく取り入れ大きなエネルギーを出すことができます。
胸の部分の骨格も鳥類ほどではないにしても大きな筋肉が保てる構造でした。
疑問2
いかにコントロールしたか?
膜でできた翼にはコウモリと違ってなんと筋繊維が通っていました。
それと神経も通っており膜の形をコントロールしたり、膜からえた情報を脳で分析して飛行していたのです。
両足間の膜はエアブレーキの役目をしていました。
また、翼を作っている指は第4指ですが、翼支骨という翼竜にしかない骨で翼の前の部分の形を変え、飛行機の前縁フラップのように揚力をコントロールできたと考えられています。
脳の構造も現存する爬虫類と鳥類と比較すると鳥類に近い構造をしていました。
以上、飛行マシンとしてはコウモリよりも優れた構造を持っていたことがわかってきました。
いやあ、勉強になったなあ。