来期のF1のレギュレーションに謎のシステムがあるようです。
なんなんだろう?
もしかして、ブレーキング時のエネルギーをキャパシターに蓄え加速時に電気モーターで推進力に変えるものだろうか
それってハイブリッドカーそのものだけど、F1を技術開発の実験場とすれば、世界で求められているハイブリッド技術を各社が競うのは有意義かもしれません。


ちょっと調べてみたら、キネティック・エナジー・リカバリー・システム(KERS)というんだそうです。
この心臓部はFIAが用意するみたいで、世界でもっとも進んでいるトヨタからすると「先進的でない」と指摘されているんだそうです。


運動エネルギーの保存というのは、古典的にはフライホイールというものがあります。
色々な機械の中で回転エネルギーを慣性質量の大きな円盤で一時的に保存するものです。
しかし、フライホイールそのものを動力源とするレールバスがあるみたいです。

これらは運動エネルギーを運動エネルギーとして保存するものです。


そのほか面白いところでは、深夜電力をフライホイールにため込む計画もあります。

これは電気エネルギーを運動エネルギーにして保存しようというところが面白いのです。
8トンもの重さのステンレス製フライホイールを真空のケースの中で磁力を使って浮かせます。
これは一種の電気モーターの回転子です。ほとんど抵抗(空気抵抗・摩擦抵抗)のない中で磁力をかけて、巨大な回転子を高速回転させます。
これで蓄えることのできるエネルギーは、新幹線16両編成が時速300kmで走る慣性エネルギーに匹敵するといいます。
モーターと発電機の構造は基本的に同じです。
蓄えられた回転エネルギーはそのまま発電機になったモーターから電力として取り出すことができます。


これは揚水発電や超電動コイルと比較して土木工事が要らない、どこにでも作れる、設備が小型にできることや、蓄電池のように化学エネルギーに変換するよりロスが少なく経年劣化に優れる特性があります。

揚水発電とは電力で水をポンプアップして位置エネルギーに変えて保存します。

また超伝導コイルは電気エネルギーを電気エネルギーのまま保存するという非常に面白い手法です。


しかし、巨大フライホールが破壊されると新幹線が全速力で走るほどの巨大で高密度な運動エネルギーはどうなるのか興味あるところです。

(たぶん熱エネルギーに変わる部分が大きそうですね)