職場で、イナゴの佃煮の話になりまして、生物学の話になっちゃいました。
「イナゴの佃煮くったことあるよ、旨かったよ。」という、先輩に
「私も食ったんですが、エビより脚が長いから佃煮にすると取れてしまうんですよね。」
エビと昆虫はともに節足動物ですから近い種類なので、似たような味なのは理解できます。
「エビと昆虫は近いけど、クモ類の方がエビに近いかなあ。」
「え、クモって昆虫じゃないの!?」と驚かれたので、こっちがビックリ。
体の構造的にエビとクモは頭胸部と腹部に分かれていますが、昆虫は頭部と胸部と腹部に分かれます。
クモの呼吸器官は書肺と言って、空気呼吸に適応したエラのようなものです。
昆虫は気門から体の中に細いパイプを陥入させて直接ガス交換しています。体の中に通るパイプは水蒸気の分子運動は制限するも、酸素分子と二酸化炭素の交換を妨げない太さです。
これが大型昆虫にとっては危険なのです。
「え、なにが?」
物理的法則によりパイプの太さは決まるので大型昆虫も小型昆虫も同じ太さです。
しかし、大型昆虫は脱皮の際細いパイプを外皮と一緒に脱ぐため体内から引きずりだします。
カブトムシくらいの大きさになると、脱皮に失敗して死んでしまう個体もいます。
したがって、昆虫はSFやホラー映画で見るほど大きくなれないのです。
しかし、いくらクモの方がエビやカニに近いと言っても、毛ガニは悔いたいけど、毛の生えたクモなんぞ見ても食欲出ませんよねえ。
ちなみに、節足動物の先祖はミミズや釣りの餌になるゴカイの仲間管形動物です。先祖と言うか、過去のある時点で従来の仲間と別の道を歩みだしたという方が進化論的には正しい言い方です。
進化というのは、製品が改良されて前のモデルにとって替わるのではなく、絶滅しない限り道を分かった仲間は前のまま生き続けるのです。
生物は発生の過程で進化の歴史を辿るといいます。昆虫も、蝶の幼虫や蛆ムシの形を見ると、ミミズやゴカイから分かれてきたのだという実感がわきます。
まあ、どっちにしても今日の話はエビとカニ以外は見るのも嫌という皆さんも多いかと思います。
すいません。