抗インフルエンザ薬のタミフルリレンザは、共にノイリミニダーゼ阻害剤です。


ノイリミニダーゼとはインフルエンザウィルスが細胞内で増殖し、飛び出すときに必須の酵素です。
タンパク質の構造が解析された結果、酵素の働く部位にくっ付いて離れない薬剤がデザインされたのです
それがタミフルリレンザです。


この薬は細胞から飛び出して、次の細胞に感染しようとはやるウィルスに
「まあ、ゆっくりしていけや。そんなに急ぐことはなかろう。」と足止めするんです。
つまり次の細胞に感染できない。
というわけで、薬の作用機序というのですが、作用の仕方が同じなので両剤には交叉耐性があるものと読んでいました。


ところが、最近の報告ではタミフル耐性ウイルスに対しリレンザはあまり効き目が落ちないようです。
タミフルは日本で大量に使われていますから、耐性株も日本発祥となるのでしょう。
一方、リレンザは腸管から吸収されないので、専用吸入器が必要で処方されている量が少ないため、しばらく耐性株は出現しないかもしれません。


だんだん私が年初に述べた、今年は人類史上に残るインフルエンザ流行年になるという予想が現実となりそうな気配が漂ってきています。


日本には、この2剤の他新しいワクチンの製造法の技術という武器があります。
なんとか我が国は、この事態を乗り切って欲しいものです。
厚生労働省もここんところずっと評判が芳しくないですから、点数の稼ぎどころですよ!