彗星は長い尾を引いて派手な姿をしていますが、その正体はというと汚れた雪だるまのようなものです。
小惑星とはずいぶん違うものなんです。
彗星は太陽系の惑星軌道のはるか彼方にある彗星の巣から、ときどき欠片が落ちてくるものとでもいいましょうか。


クラークの小説3001年では、この彗星の巣から大量の水を輸送船で金星や火星に運ぶ惑星改造計画が描かれています。



尾がなびくのは太陽風にさらされているからで、尾の向きと逆の方向に太陽があるということになります。
そんなわけで、小惑星とはずいぶん違って危険性はないように思えます。
比較的軽い天体なので、大気圏に突入する角度によっては弾かれてしまうこともあります。(じつは有人宇宙船でも大気圏突入に失敗すると宇宙の彼方に弾かれる危険があります。)


しかしながら、シベリアで森林が何者かに一直線になぎ倒される事件がありました。
最初、隕石ではないかとうたがわれたのですが、どうもその痕跡が見つからないのでした。
結局、あの汚れた雪だるま真犯人であろうということになりました。
彗星も意外に怖いこともあるようですね。

彗星の尾は、太陽の熱で雪だるまが溶けて二酸化炭素や水が蒸発する事によって生じます。
従って、太陽に近づくほど尾は長くなります。
彗星の尾の向きって我々の常識的感覚からすると、進行方向と反対側になびく気がします。
でも彗星の尾の向きでわかるのは進行方向ではないんです。 太陽風の吹いている方向、すなわち太陽の位置がわかるのです。