われわれがいる宇宙は、縦・横・奥行きの3次元からなっていると、紀元前300年頃にユークリッドが幾何学の基礎を確立していました。
それから2000年以上それは変わらなかったのですが、20世紀初頭アインシュタインが第4の次元に時間を加えました。
それ以来、われわれの住んでいる宇宙は4次元空間と認識されるようになりました。
でも、4次元て何か特別な世界と考えていたけど、マクロ的に考えれば私たちの世界そのものが4次元なんですね。
時間は他の次元と異なり、一方的に進むだけで行き来ができません。
それゆえ他の次元と性質が違うので、1+3次元なのかもしれません。
(仮に宇宙の質量が十分に大きければ、膨張宇宙はやがて収縮に向かい、そのとき時間の矢は逆転するとホーキングが発表したことがあります。のちにホーキング自身が誤りであったと認めています。)
アインシュタインが一般相対性理論を発表したとき、数学者はこれが4次元でなくても成立することをアインシュタインに告げています。
そんなものがどこにあるのか?とアインシュタインは疑問を呈していました。
ちょっと話は変わって、物理の世界では非常に多くの素粒子が存在します。
1970年日本の南部陽一郎らは、「ひも理論」を提唱し、1次元のひも(弦:string)が振動した状態が素粒子であり、その振動状態で素粒子の性質が変わるというアイデアを出しました。
非常に画期的ではありましたが、最低速度が光速の「タキオン」という超光速粒子の存在を予言するなど破綻が見られました。
しかし、1980年代になって超ひも理論(super string theory)が発表されると、マクロの相対論とミクロの量子力学を統一する究極理論の候補となりました。
ひもの状態によってすべての素粒子を説明するには、10次元が要求されます。
それこそアインシュタインじゃないけど、どこにそんなものがあるんだ。
われわれが見ることのできるマクロの世界は4次元ですが、残り6次元は素粒子の世界に折りたたまれていると考えられています。
今のところ、数学的にしか証明されていませんが、学者は必ず証明できると意気込んでいるんですねえ。