lorenz

規則と不規則、秩序と無秩序その橋渡しをする発見がカオスだったと言われます。

カオスは予測が不可能で複雑ですが、無秩序でもない。

この図は気象学者ローレンツが対流の動きを表わす乱流モデルです。

有名なローレンツアトラクタと呼ばれるモデル。

運動を記述する変数を座標軸をする仮想空間に描かれた点を時間を追って並べるとこんな美しい形になります。

乱流モデルとはいえ、複雑な運動がじつは何かに惹きつけられて(アトラクト)いるかのように見えます。

まったく無秩序に見える乱流もその影に隠れた法則性が見つかったのです。


同じ時期に京都大学の上田睆亮が非線形バネの振動方程式を計算機で解いていて同様の発見をしています。

1960年代以降自然に対する見方が大きく転換したのです。

非常に簡単な規則の上に極めて複雑に見える現象が成り立っているということが明らかになってきました。

一見無秩序に見える自然現象にもなんらかの規則性のようなものがあるのではないか?と一種のブームになったということです。


しかし、これもコンピュータの発達でシミュレーションが出来るようになったおかげです。

じつは100年も前に数学者ポアンカレが天体の運動で複雑な現象を観察しているのですが、

「あまりに複雑で記述できない。」と匙を投げていたのです。