1000万画素コンパクトデジカメの場合、F5.6だとレンズの解像性能よりセンサーの細かさが上回っている可能性があります。
現在主流である1/1.8インチ型センサーのサイズは6.9×5.2mm 190本/mm(理論値で最大266本/mm)だと、
6.9×190×2 × 5.2×190×2 =518万画素となり、これ以上画素があっても意味がありません。
でもこれはF5.6の計算なのです。一眼レフ用レンズの場合いろいろな収差を抑えるにはF5.6くらいが最もよいと言われます。
しかし、それは一眼の常識でコンパクトデジカメはちょっと事情がちがいます。
コンパクトデジカメの場合は逆に絞りこむと回折ボケあるいは小絞りボケという現象がおきます。
センサーの小さいコンパクトデジカメは、この現象が出やすいのです。
そんなわけで、一眼のレンズと違ってコンパクトデジカメのレンズは開放付近で一番解像度がでるように設計されています。
もしF2.8にすると解像本数は2倍になるので、画素数4倍までレンズは対応できます。
ということは、2000万画素も可能なんじゃないかということです。
でも、この計算の前提って相当高性能のレンズですよ。しかも、真ん中あたりに限定です。
さて、レンズの絞りをどんどん絞っていくと逆にボケてきます。
一眼レフでF8とかF11以上絞っていってもシャープになりません。
それは何故か?
光には回折という現象があります。
回折とは、光が物体の隙間を通るとき、物体の端で回り込むように曲がることです。
例えば、レンズの絞り環を開放しているときは、真ん中を通る光量は回折した光を無視できる程多いです。
しかし、絞っていくと回折した光の割合が相対的に多くなります。
回折した光は像を結びませんから、全体として画像がボケてくるんです。
これを「回折ボケ」あるいは「小絞りボケ」と呼んでいます。
この現象は、センサー(光学系)の大きさによって違ってくるんです。
大きいセンサーだと小絞りに強く、逆に小さいセンサーでは弱くなります。
光学系のサイズが小さいコンパクトデジカメでは絞れないんです。
結局センサーが大きいというのは、いろいろな面で有利なんですねえ。
コスト面は別にして・・・・・。(´д`lll)