それから200年後!!!!!
天竺に経典を求めて旅した三蔵法師も尊称なんです。
西遊記のモデルになった三蔵法師の名前は
玄奘(げんじょう)」です。


仏教の経典を「経蔵・律蔵・論蔵」の3群に分類します。
その三蔵すべてに通じている僧という尊称。
尊称ですから、他にも大勢いらっしゃったのでしょう。
しかしながら、現在では三蔵法師といえば玄奘を指すようになりました。


唐の大秀才であり、かつ鉄の如く堅く強靭な精神と堂々たる体躯の持ち主だったようです。
日本の西遊記じゃ、夏目雅子以来女優が三蔵法師を演じていますが全然逆のイメージ。
役者でいえば、坂口憲二くらいが体格的に適当かとも思います。
それに、相当傍からみれば嫌な奴だったらしいんです。
留学が許可されず、無断で天竺行きを強行した玄奘は行く先々で、地元の僧に議論を吹っかけます。
玄奘は、天竺に近づけばそれだけ釈迦の教えが多く残されていると考えていました。
しかし、田舎の僧侶に玄奘の高度な内容の問いに答えられるはずもなく、迷惑していたようです。
本人的には全く悪気はなかったのでしょうが、相手は困っていたようです。


それでも鉄の意志と体力で、孫悟空にも猪八戒にも頼らず天竺にたどり着きます。
天竺でも、ナーランダの学林で6年間猛勉強しました。
数千人のうち10人程度しか卒業できないという、この研究所でその卒業生の一人となったのです。
天竺の地に残るよう求められつつも、やがて650巻あまりの経典を持ち帰りました。


長い道中、仏教に帰依する国王や有力者に頼って旅したわけですが、留学中に滅びた国もありました。
そんなわけで、往復で違う経路を辿ったのです。
じつは帰国するのも命がけで、無断出国で死刑になるところ恐るべき秀才に免じて許されました。