「カメレオン政治家」のすり寄り | 平野幸夫のブログ

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ギリシャ語を語源とする「クロニクル」という
言葉があります。年代記、編年史とも訳されま
す。2014年からの独自の編年記として綴りま
す。

 行動や考えをその時の状況によって、くるくる変える


無節操な人を動物の「カメレオン」に例えることがある


。橋下徹・大阪市長=日本維新の会共同代表=が10


日の記者会見で、滋賀県知事選挙に立候補している


元経済産業省職員の小鑓隆史氏を支持表明した記


事に、「またか」と声を上げしまった。。わずか2週間


前の関西電力の株主総「これからは原発はどん


どん推進できるような況でない」と経営者に脱原発


を迫った市長が、原再稼働を推進する自民、公明


両党が推薦する候を応援する矛盾はどう説明する


のか。また政権にり寄る「カメレオン政治家」という


批判も出そうだ。



 そもそも関西電力の大飯原発再稼働は一昨年、橋


下市長が関電経営者らと高級料理店で会食した直後


に、容認姿勢に変わり、一挙に再稼働の流れに変わ


った。脱原発を求める市民らから「裏切り」と強く反発


が出た経緯がある。



 その橋下市長が今度は先日の関電株主総会で「民


間会社が原発を運転するのは無理。原発の国策民営


なんて、もうやめよう」と経営者の退陣まで迫り、脱原


発を求める株主らからも拍手が出たほどだった。


 しかし、今回の同知事選の与党候補支持表明はそ


の発言をした舌の根も乾かないほどの豹変ぶりと一


部から受け止められている。


 橋下市長は官邸サイドの協力によって府市の行政


が進んでいるとしたうえで「菅官房長官が推している


ということなら小鑓さんを応援すべきだ」と露骨な政


権へのすり寄り姿勢を見せた。


 小鑓氏は再稼働について「判断は原子力規制委


員会に任せるべき」と表向き、賛意を表明していな


いが、原発推進官庁である経産省出身という経歴


からも国の再稼働推進に逆らう政策を展開する可


能性は少ないとみられる。



 橋下市長の意図に、大接戦とされる滋賀県で、


与党候補を直前で支持して勝利できれば、政権


に恩も売れ、負けても自ら傷つくことは少ないと


いう計算もあるのかもしれない。しかし、見方に


よっては脱原発を求める民意をもてあそんでい


るようにも受け取れ、さらに「橋下政治」にマイナ


ス点を増やすのではないだろうか。


               【2014・7・11】