さて宣言解除に伴って、徐々にお仕事に復帰していくわけですが、その前に落ちてしまった滑舌やらを戻さねばならない。
自粛中はどうしたって喋ることが少なくなってしまっていた。
だからテレビを見ながらの独り言をいつもより多くしていた。

クイズ番組はさもスタジオにいるかの如く参加し、いやむしろ出演者よりもやかましく話していたんじゃなかろうか。
ドラマや映画を見ながらも、第3の人物として芝居してた。
この前「SUNNY  強い気持ち・強い愛」という映画を見た時は終盤、自分もずっと仲間だったかのように号泣し声を掛け合った。
側から見たら精神状態を疑われそうな状況だが、あくまで滑舌や表情筋を戻すためだと言い訳しておこう。

私は昔から滑舌にコンプレックスを持っていて、と言うのもお芝居を始めた頃は毎日のように滑舌を注意されていたからだ。
「何言ってるかわかんない!」や「滑舌悪すぎて情報が入ってこないよ!」といった調子で毎回怒られては落ち込んでいた。
割り箸くわえながら訓練したり、表情筋の筋トレしたり必死だったなぁ。
今でも舞台の本番前は、必ずストレッチに加え発声滑舌の訓練をしている。
このルーティーンは私の中では最重要項目で、このアップをしないと怖くて舞台に立てないほどだ。

自粛期間中も朝シャンしている時に軽くこの訓練をしていたのだが、やはりそれだけでは足りなかったようで、
顔が弛んでいると気づいた時にはひどく焦った。

なので先週から久々にある訓練を再開した。
ズバリ!「外郎売り」

お芝居未経験者でもタイトルくらいは聞いたことあるって人が多少なりともいるのではないだろうか。
演技本に必ずと言っていいほど載っている外郎売り。私も役者人生でどれだけやってきたか数え切れないほどだ。
始めた頃はもちろん、復帰する際、通っていた授業でもやった。
外郎売りは、元々は歌舞伎でしたが、正しい発声法と滑舌を訓練するためによく用いられるのだ。

この前、数年ぶりにやってみて驚愕だった。
めちゃくちゃ下手だし、ちゃんと言えなくなっていた。
「本当に貴様、私の口か?!いつの間にか誰かの口と入れ替わったのだろ?!」と思うほど狼狽えた。
その日から今日まで毎日臨んで、若干感覚が戻ってきたがまだまだ足りない。
お芝居のお仕事が再開されるまでに元通り、いやそれ以上を目指さねばならない。

そんなこんなでこの後は「おもいッきり木曜日!」の配信。
うまく喋れているかも含めてお楽しみください。

では。