私は辛い食べ物が大好きだ。

ピリ辛どころじゃ刺激が足りず、激辛と銘打つものがあれば高確率で頼んでしまう。

逆に甘いものはほとんど口にしない。
学生時代の終わりとともに間食もしなくなったので、世にあるお菓子やスイーツをあまり知らない。
厳密にいえば、差し入れやお土産でよく甘いものを買うので、何が話題になっているかはわかるが、その味は一度も味わったことがなかったりする。

海老名サービスエリアのメロンパンやご当地でしか味わえないものは率先して食べるが、普段の生活において甘いものが食べたくなるという事はないのだ。
「男は甘いものなんぞ食わん」という化石のような価値観を持っていたのだが、最近は甘いものが大好きな男の子多いですよね。

稽古場で後輩が甘い菓子パンとか食べてると、「え?それどうしたん?」ってついつい聞いてしまう。
後輩の反応は大体が「ん???  買ってきましたけど」と、それが何か的な逆に質問返しにあってしまう。
お昼のご飯に甘い菓子パン食べることが異文化すぎて戸惑ってしまうのだ。

この感覚がおかしいのか確かめたくて何人か集めて、甘いものを食べるか談議をしたところ後輩全員から、
「りょうくんがおかしいんだよ。圧倒的に少数派」と一刀両断されてしまった。

しかもその後みんなで、コンビニスイーツや最近の一押しお菓子の話題に花が咲いてしまい、
輪に入れない平野は背中をちっさくして立ち去るしか選択肢がなくなったのだ。

悲しき怪獣の去り際は非常に切ないものである。

甘いものが嫌いなわけではない。なんなら好き。
しかし自分から口にするときは、疲れている時か頭が働かない時に糖分を摂取するくらいの気持ちなのだ。

後輩俳優たちにバッサリ切られてから、同じ感覚を持ってる人がいないか、
色々な現場でちょいちょい甘いもの談議を吹っ掛けるのだが未だに独りマイノリティだ。
今日のコメント欄に期待するしかない。きっと同じ感覚の人がいるはずだと信じている。
いや、期待したら落ち込むから、やめておこう。
コンビニスイーツが激戦区で、どんどん美味しくなってると夕方のニュースでも見たことあるし、
飲食店のメニューでデザートがないなんてこと見たことないし。

甘いものと反比例して辛いものを好むのかもしれない。

辛いもの好きって言っても世の中広いですからね、私なんて全然ひよっこかもしれません。
みんなで辛さレベルを共有しやすいのは「ココ壱」のカレーではないだろうか。

私は東京でベスト100に入るのではないかくらい、ココイチのデリバリーを頼んでいるのですが、
ここ数年全く同じメニューです。
それは「野菜三昧カレー」。昔一度浮気したことがあるが、もうあんなヘマはしない。迷わずこれ一択。
そして辛さは基本+5します。もっと刺激的なランチをしたいときは+6か7です。

みんな平均どれくらいなのだろう。

半年くらい前かな、テレビで「蒙古タンメン中本」を取り上げており、北極ラーメンという激辛ラーメンをひーひー言いながら食べる人を見て
「10年くらい食べてないけど、今の私は食べられるのだろうか」と思い立ち、翌日さっそく行ってみた。
券売機で北極ラーメンを買って席でドキドキワクワクしながら待った。
余談ですが、麺を豆腐やコンニャク麺に変更できるのでカロリーや糖質気になる方でも気軽にいけます。

席に届いた北極ラーメンは一言で言うと「赤!」。
真っ赤っかなスープと鼻孔をくすぐるスパイシーな香りに胸を躍らせ「いただきます」しました。

結果、
ペロリでした。

辛かったけど旨味とうまく絡み合って(辛みと絡みは掛けているわけではありません)、
美味しかった。

ただ私には辛いもの食べる際の障害がある。
「汗」である。
もう汗をかくなんて表現じゃ追いつかないくらい汗が出る。
シャワー浴びた後と遜色ないくらいびちゃびちゃになってしまうのだ。
店員さんに笑われてしまうこともしばしばある。

しかも辛いものじゃなくても、ご飯食べると汗だくになってしまうから厄介なのだ。
代謝がいいことが仇となっている。
夏などは冷やし中華食べても汗が止まらなくなる始末。

だから私はラーメン屋に行くときは必ず、ハンドタオルじゃなくフェイスタオルを持参するようにしている。
ハンドタオルごときでは、瞬く間におでんのはんぺんよろしく、ひったひたになってしまう。

忘れてしまった日は悲惨で、テーブルや床に水たまりを作ってしまうほどなので、
「ラーメン=タオル」という方程式を私は厳重に守らなければならない。

最終的に辛いものの話じゃなくなってしまったのでこの辺で。

本日もお付き合いありがとうございました。