さて今日もつらつらと過去を振り返ってみよう。
昨日はようやくスタートラインに立つまででしたね。

初めてドラマのエキストラをしてから、20年以上歳月は流れましたが、今でも何のドラマでどこで撮影したとか覚えてるもんですね。
ドラマは伏せさせていただきますが、場所は表参道だった。
表参道ヒルズなんて出来る全然前ですよ。趣ある建物がズラッと並んでいて、待ちゆく人たちも都会人でお洒落に見えたなぁ。

初めて生でみる俳優さん、女優さんのお芝居に興奮しつつ、表参道を通行人として何度も行ったり来たりしながら、
いっちょ前に「僕はプロとしてここにいるんだ」なんて背伸びして、好奇心を表に出さないようポーカーフェイス気取ってた。

色々な場所で通行人として、また遊園地などでは若者の集団として、経験を積ませていただきました。

そして初めてのオーディション、緊張しすぎてほぼほぼ覚えてない。
たしか虎ノ門にあるどこかのオフィスで、ゲームCMだった事くらいで、肝心の内容は不思議なほど記憶にない。

「オーディション慣れ」とでも言うのだろうか、周りの競争相手達がすごくリラックスをしていて、発声や滑舌のアップをしたり表情筋をほぐしているのをみて、
「プロの世界ってスゲー、でもコエー」ってアホ面下げていた。

勿論不合格。
しかし何度も何度もオーディションに臨む度、私も段々と慣れていき、何をアピールすればいいのか戦略を練るようになる。
だが受からない。それこそ10回、20回連続で不合格は当たり前。
またまた自分には才能がないんだと落ち込みかけていた時に、救ってくれたものがある。
ラジオである。

その頃、深夜ラジオを聴くのが大好きで、でっかいラジカセにイヤホンさして布団の中で聞くのが日課だった。
タレントさんや、芸人さんがテレビでは見せない別の顔をこっそり教えてくれてるようで、毎晩楽しみにしてたなぁ。
オールナイトニッポンのパーソナリティは今でも目標の一つ。

芸人さんやアーティストの番組はもちろん大好きだったが、15分くらいの短い女優さんのコーナーをよく聞いていた。
その時々でキャストは変わるのですが、私にとって今後を左右するほどのお言葉をくれた方がいます。
誰かは控えさせていただきますが(自分の番組では話してるから知っている方は知っているだろうが)、
いつかお会い出来たら感謝とお礼を伝えたい。

その日は私と同じ悩みを持つリスナーからのお便りがあった。
「女優を目指しているのですが、オーディションに中々受かりません。受かるためにはどうしたらいいですか?」
なんて答えるか固唾をのんで、全耳に集中した。
笑顔かな、ハキハキしゃべることかな、面白い特技を身に着けることかな、などいろいろ想像しながらその時を待った。

「んー、わたしの場合は、偽らないってことを意識してるかなー。オーディションってその役に合うか合わないかの2択だと思うんです。
でもそこで、よく見せようとか、この役はこうだから自分も寄せていこうって自分を作っちゃうと、相手側に、合うか合わないかの他に、
考えるだったり、見極めるみたいな選択肢が増えちゃう気がするんです。
確率で言うと2択のほうが有利だからわたしは偽らないでそのままの自分を見てもらうように心がけてるかなぁ」
※記憶不足で言い回しや細部は違うと思いますが、ご容赦頂ければ幸いです。


もうね、目から鱗でした。魚一匹分くらいの鱗が落ちたんじゃないかな。
偽らないか、、たしかに今までは定型文のような挨拶と、奇をてらった趣味特技を披露していた。
「○○から来ました、平野良です。14才中学二年生です。特技はサッカーと水泳と書道です。趣味は人と話すことです!」
みたいな。
こりゃだめだ。

その日を境に、オーディションを受ける際、そのとき何を感じ、思っているかを大切にしました。
今思い返せば全然ダメダメな内容ですが、自己紹介の時、
「最近生きていても楽しくないんですよねー。」ってな事をかましてましたからね。
偽らないの意味を履き違えてますよね完全に。
偽らないでも魅力ある人間になるため、日々努力が必要という事だったのだろうと今では解釈している。

でもそれで興味が出たらしく、いろいろ質問してくれて初めてオーディションに受かることになるのだ。
世の中何があるかわからない。

ただ数あるオーディションの中でも「さわやか」っだったり「初々しい」の要素があるものには受かったことがない。
いつも審査員の人から「君本当に中学生?若々しさが足りないね。」と指摘されていた。

20才を超えたころから年齢より若く見られるようになったのだが、10代の平野はとことん老け顔だった。
どれくらいかと言うと、

小学5年生の平野は塾へ向かおうとスーパーの脇を通りかかった。その時高校生に絡まれた。
3人だったか4人だったか、恐怖で覚えていないが、いきなり
「なにガンくれてんだよ!てめぇ何中だよ?!」と。

この「何中」問題は何なのだろうか。通っている高校を聞くのではなく、出自の中学校を聞く文化。
男の中ではポピュラーだが、女性からしたら意味が分からないのではないか。
社会に出てもあるのでしょうね。勤めている会社よりもどこの大学を卒業したか聞く文化が。

そんなこと言ったら私もしていることに今思い至った。
MCをしている「2.5次元ナビ!」で、何出身?ってよくゲストに聞いてる。
戦隊?テニミュ?ジュノン?、、、etc
まあそれはパーソナルな部分を引き出すためなので「何中」問題とは少し違うかもしれないが。

かなり脱線してしまいました。
とにかく平野少年は絡まれたわけです。なぜ高校生とわかったかと言うと、その制服を知っていたから。少しヤンチャな人が多いと。
恐怖に慄きながら、
「○○小学校の5年生です!」と伝えると、さすがに面食らったのか、
「え?マジ?小学生?、、、ごめんごめん。驚かしちゃってごめんなぁ」ってなぜか100円のお駄賃までくれた。

これくらい老けていた。

しかも当時、渡部篤郎さんをこよなくリスペクトしていたこともあって、(もちろん今も大尊敬している)
さわやかさが必須のドリンクCMで
「くぅ、、、染みわたる」というセリフを渡部さん風に言っていたのだから受かるわけがない。

この「さわやかさ」問題は20歳を超えても悩んだ。辞書引いたり、いろんな人にさわやかって何か聞きまわったり。

わっ、気づいたら長々また書いてしまいました。

金八のオーディションの時とかも色々あって、その事を書こうと思っていたが、また別の機会にします。

今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。