妄想力猛々しい。
昔から想像、妄想、夢想が好きだった。

小さい頃は、外で遊ぶのももちろん好きだったが、ゴム人形やフィギュアを使って遊ぶことが多かった。
テレビの中じゃ叶わない異種格闘技や、助け合いを想像してはワクワクしていた。
だから我が家には様々な人形が溢れかえってた。何百体あったんだろう。

今でもゴム人形ってあるのかな。
ガチャポンに百円入れて回す瞬間、たまらなかったなぁ。
現代は携帯の課金もガチャって言うけど、私にとってのガチャは駄菓子屋横にあるガチャポンだ。

カードのガチャポンもあったな。 
ポンって出ないからガチャポンじゃないのか。ガチャスー?
そのカードでゲームが出来るわけでもないのに、一種類でも多くコレクションしようと躍起になってた。
100円で五枚組が出てくる台と、20円で一枚出てくる台があって、五枚組のほうがキラが出やすいと都市伝説があった。
もうキラとも言わないか。レアか。(キラキラカードだからキラ)
昔話をしていると、「あぁ、自分もあの頃見てたおじさんになったんだな」と。

とにかく人形遊びが大好きだった。

小学生に上がる前だったか毎晩、寝る前布団の中で姉と、その日作ったお話を披露しあうのが日課だったことがある。
4・5歳だったからどんな話をしていたかほとんど覚えてないけど、昔話風で始まっていたはず。
1つだけ私が姉に披露した話をなんとなくで覚えてる。

その晩はなぜか姉を怖がらせたくて怪談風にしようと思って話した。

「昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。おばあさんは包丁を持つとゆっくりおじいさんに近づいていきます。
そしておばあさんは、、、
包丁でおじいさんの首を絞めましたっ!!」

逆にすごいホラー。
我ながらツッコミどころ満載で、どこから手を付けていいのかわからないエキセントリックさ。
もちろん姉も「え、、、?」と絶句していて、思った反応が返ってこないことに腹をたてた記憶がある。

それでも考えてるときは楽しかった。どんな反応がくるか想像してニヤニヤしてた。
とすればやはり今の仕事は、その時からすでに動いていたんだな。

この妄想力で生きやすい人生にしようと今でも実践している事がある。
街や電車の中でイラっとすることありませんか?
歩きスマホしている人にぶつかられて舌打ちされるとか、電車で隣に座る人に寄りかかられた時とか。
そういうイラッとしてしまった時はすぐさま、その人を主人公にした物語を創作する。

電車でおじさんが、お酒の匂いぷんぷんさせながら肩に頭のっけて来たときは、
「どこで生まれたか、どんな青春時代を過ごし、奥さんと出合ったのか、仕事はうまくいっているのか、そしてその人生を自分自身はどう思っているのか、
歯がゆい思いと、もどかしい日々を打破できない悔しさ情けなさ、もう酒を飲むしかないじゃないか。」
と今現在に至るまでのストーリーを拵えることによって、さっきまでイラっとした寝顔も、優しく受け入れられる。
時もある。
まだまだ徳が足りない私はそれでも「あーーー!ムカつくぅ!」となることもあるのだけど。

逆に、感性の窓が全開で、エモーショナルスイッチが入っている時に、あまりに切ない物語を作りすぎて泣きそうになることもある。
いきなり泣き出したらこっちのほうがヤバい奴になってしまうので勿論こらえるが。

嫌な思い出だってなんだって、自由に扱って、気持ちのいい毎日を過ごすほうがいいと私は思うのです。

妄想力でこの日々を乗り越えよう。


今日もありがとうございました。