夢を見る人、見ない人。
正確には、覚えている人と忘れてしまう人。
この違いは何なんだろう。
私も忘れることのほうが多いが、起きた瞬間は結構覚えてる。
ずっと覚えてる夢も多い。
ものすごく長い時間を、夢の中で過ごすことも昔からしばしば。
だから起きた時に、本物の人生か、夢の人生かこんがらがることもよくある。
とてもリアルに出来事や、その時感じた事、手触りや味まで残っている。
少年時代、空を飛ぶ夢を見ることが多かった。
泳ぐスタイルで飛ぶ時もあれば、自転車に乗って飛ぶとき、それこそ念じて飛ぶこともある。
あまりに鮮明に飛び方を覚えていたので、起きた瞬間に「今ならいける!」と二段ベットの上から、見事に転落することも一度や二度じゃ利かない。
その度に母から「何してんの!!」と叱られていたが、理由を言うのが恥ずかしくて、思春期あるあるの「別に」で逃れようとしていた。
高熱を出すと決まって同じ夢。
無数の巨大な鉄球が振り子のように行きかう場所を、円柱型の足場を跳び渡りながら永遠と進む夢。
大人になってから見ることなくなったけど、悪夢の類はやっぱり覚えているんだな。
前にシャトナーさんの『ソラオの世界』に出演した時の事。
ちなみにこの作品も主人公が夢の世界で何十年も生きてしまうというストーリー。
シャトナーさんが「夢で手に入れたものは、起きたらなくなってしまうけど、唯一経験値だけは持ち帰れる」とおっしゃっていて目から鱗でした。
たしかに夢の中で感じた喜怒哀楽や苦労したことが記憶に残っていれば、それは立派な経験値となるんだと思った。
役者の仕事は色んな人生を想像し、妄想し、実感することが大切だから、夢は貴重な訓練場。
毎日のこの成果を実践できる日が早く来ますように。
ありがとうございました。