税理士のヒラリーです。
韓国在住の妹の韓国での治療費が医療費控除の対象になるかどうか検討してみました。
前提として、妹は日本の居住者(兄)から生活費と治療費の仕送りを受けています。
また、妹には韓国に親族はいません。
(医療費控除の規定)
居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払った場合において、その年中に支払つた当該医療費の金額の合計額が一定の金額を超える場合、医療費控除を受けることができます(所得税法73条)。
ここで、韓国で生活する妹が生計を一にする親族に該当するか問題となるが、余暇には他の親族のもとに帰省をしているか、常に生活費、療養費などの送金が行われている場合は、同居していなくても医療費控除の対象になります。
また、海外の医師の治療を受けるための治療費や渡航費が医療費控除の対象になるかが問題ですが、これについては、外国の医師に対するものであっても、原則として医療費控除の対象となります(基本通達73-3)。
ただし、海外渡航費については、その疾病が国内で治療を受けるのが一般的なものであり、海外で治療を受けることの合理性がない場合には医療飛行の対象にはなりません(医療費控除と住宅借入金等特別控除の手引き-一般財団法人大蔵財務協会-81)。
所得税法基本通達2-47(生計を一にするの意義)
法に規定する「生計を一にする」とは、必ずしも同一の家屋に起居していることをいうものではないから、次のような場合には、それぞれ次による。
(1)勤務、修学、療養等の都合上他の親族と日常の起居を共にしていない親族がいる場合であっても、次に掲げる場合に該当するときは、これらの親族は生計を一にするものとする。
イ 当該他の親族と日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には当該他の親族のもとで起居を共にすることを常例としている場合
ロ これらの親族間において、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合