大阪公演の休みを利用して、
京都国立近代美術館で開催中、
《横山大観展》に行ってきました。




人生で一度は生で見たいと思っていた大観の作品。
しかも京都という場所も影響して、会場は間近で見られる作品の迫力に圧倒された厳かな雰囲気に。

目を凝らさないと見えないような繊細な描写から、
荒々しい勢いを感じさせる形なきものの表現まで、
その幅広い手法で見る者に衝撃を与えていました。




仕方のないことなのかもしれませんが、私くらいの年齢層がいなかったのが本当に勿体無く思いました。海外の方もですが。

絵のデザインでいったら今の若者に人気が出そうな作品もたくさんあり、
私的にはMOMAで大観展をやってほしい!


以前山田五郎さんに、
今までの伝統にはなかったことに挑戦し日本画を近代化させた、近代絵画の父。
……と教えていただきました。

日本のセザンヌと。

明治以降の日本画壇最大の大家をもっと身近に感じても良いのではないでしょうか?





大観の年表を見ていて驚いたのは、
この方、世界各国を回っているんです。
インドに行ってアメリカに行ってヨーロッパを回って(アメリカを発つ時に書いた手紙の一節が印象的でしたが)、自分の目で見てきたもので勝負してるんです。


ナイヤガラや万里の長城、ガンヂス川を描くなんて大観にしかできなかっただろうし、
その間身内の方との別れがたくさんありました。

大観らしいとされる空間の使い方はどこか侘しく物悲しい。


印象派を感じさせるような朦朧体の手法も、
始めはバッシングを浴びながらも研究に研究を重ねました。

そして水墨画。


大観という人の人間味が、作品に溢れているんです。

この人にしかできないできない表現をやり尽くしたんだと分かります。




夏目漱石の作品評で、
「君の絵には気の利いた様な間の抜けた様な趣があって、
大変に巧みな手際を見せると同時に、
変に無粋な無頓着な所も具へてゐる」
……という一節があります。

大観らしさが滲み出ている気がしませんか?



我が道を貫き、自分のスタイルを確立した日本画の巨匠。


この機会に是非触れてみてください。