新国立美術館で開催中の《ダリ展》に行ってきました。

はじめに言っておきます。

このブログ、長くなります。




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そもそも私がダリを知ったのは中学生の頃。

地元横浜の美術館にシュルレアリスム展が来た時に衝撃を受けた。

当時の私は何方かと言えば美術よりも哲学に興味があり、
その理由は、自分が絵で答えを出せないから。
もしくは答えが既に絵の中にあるから…であった。

当時今よりも遥かに白か黒かハッキリさせたい性格だった私は、
空想を楽しむなんて発想はなく、ひたすら世界を狭め答えを限定させることに正義を感じていた。

自分の価値観から考えを巡らして導き出すことに面白さを求めていた当時は、
絵が問題提起しているなどとは微塵も思っていなかった。


だがシュルレアリスムは何だか様子が違う。

どの絵画にも時代背景や思想、メッセージがあるのは分かっていたが、
凡そ見当もつかない空想上のものかと思ったものが急に身近なものとして意味を持つ。

そしてその造形にやられた。
綺麗で優雅で均衡が保たれているなんてことは全くない。
張り詰めていて何だかよく分からなくて、触ったら弾けてしまいそうな繊細さが爆発している、
見えない心のようだと思った。

その時美術館で見て最も興味深かったのは、
サルバドール・ダリの『薔薇の頭の女』だった。
しかも彫刻の方の。


何かが抉られた気がして必死に関連書籍を読み漁り、作品を調べ、今でもたまに読んだりする。


後に《超現実》の意味を知った時の私は、
今まで自分の求めていた哲学がこれでやっと繋がったと納得した。



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ダリを筆頭に、
アンドレ・ブルトン
「いとしい想像力よ、私がお前のなかでなによりも愛しているのは、お前が容赦しないということなのだ。」
…というやつですね。


ジョルジョ・デ・キリコ
《ある午後のメランコリー》

アンドレ・マッソン
《迷宮》

ジョアン・ミロ
《沈黙》

ルネ・マグリット
《ピレネーの城》《赤いモデル》《凌辱》

イヴ・タンギー
《岩の窓のある宮殿》

ドロテア・タニング
《かくも幸福な絵画》

ドラ・マール
《無題[手-貝]》


みんな大好き。
ポストカードを集めた。
今でも手元に。


FCの会報のお絵描きページに、
ヴィクトル・ブローネルの《傷ついた主体性のトーテムII》を描いた時は、
全く反応がなくてちょっと寂しかったのは今だから言える笑い話である。





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やっと今回のダリ展の話である。

前置き以上に長く付き合わせて申し訳ない。
そろそろ文体も戻そうと思う。




…という訳で、今回私が購入したお土産はこちら!
分かってはいたけど予算オーバー(笑)。



・キャンバス
《オーケストラの皮を持った3人の若いシュルレアリストの女たち》


・クリアファイル
《オーケストラの皮を持った3人の若いシュルレアリストの女たち》
《素早く動いている静物》

・キーホルダー
《ポルト・リガトの聖母》




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・ポストカード

《見えない人物たちのいるシュルレアリスム的構成》
《雲の中の戦い》
《紅冠鳥の巣と同じ温度であるべきナイト・テーブルに寄りかかる髑髏とその抒情的突起》
《降りてくる夜の影》
《ラファエロの聖母の最高速度》
《「消えるイメージ」のための習作》
《形態学的なこだま》
《炸裂する柔らかい時計》
《人物の集うテーブルの舞台デザイン(バレエ「ドン・ファン・テノーリオ」の舞台美術のためのスケッチ)》




なかでも気になったのはやはり音楽に纏わるものでしょうか。



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《オーケストラの皮を持った3人の若いシュルレアリストの女たち》



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《紅冠鳥の巣と同じ温度であるべきナイト・テーブルに寄りかかる髑髏とその抒情的突起》




今回の展示の【第7章 原子力時代の芸術】を見た時に、
私のなかでの仮説が完全に解き放たれまして…。

《素早く動いている静物》
《ラファエロの聖母の最高速度》


何もかもを分解するんですね、彼は。

だからこその物質、音、原子力に繋がるのだなと、謎がようやく解けました。

確かアンドレ・ブルトン等、他のシュルレアリスム作家達がダリに、
静物としてありのままの真実を描いていない、
物に意思が生まれてしまっているというようなことを言ったのではなかったでしたっけ?

まさにその通り。
彼には常人が見えない物がどのくらいの密度と速度で形成されているかが見えていたんでしょう。


やっと理解できた。
スッキリした。



というわけで、今回の図録と作品集まで買ってしまいました(笑)。
唇トートバッグ、断念。


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よく思い出してみたら、
5年くらい前に同じ新国立美術館で開催されたシュルレアリスム展にも行ってました!

何ともご縁のあるシュルレアリスム。



もうひとつ個人的に嬉しいのは、
私の好きな作家さんはかなりの確率で舞台美術に関わっていること。

ダリの舞台美術と衣装のスケッチ、現代で具現化したらかなり面白いものに仕上がると思いますよ!


そしてダリの影響は計り知れません。
特に今日本でこの展示会をやる意味というのは、
私の身近な世界でいうところの漫画やアニメの世界などにも確実に影響を及ぼしていて、
今まさにその受け皿が整った時代なのではないでしょうか。


スキャンダラスでエロティックで、
心の中を覗かれているような刺激的なダリの作品は、
これからも見えざる真実を写し出す起爆剤になってくれるはずです。




最後にひとつ。


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美尻やなぁ……♡



長くなりました‼︎
以上です‼︎