サータヴァーハナ朝の属国・封建領主の2番手は、セバカ（Sebakas of River Penner Valley）です。デカン高原南東部の地域です。
① AE Unit, Post-Mauryan Sebaka （30 BC以降、又は、150－100BC）
左：7.67g/21.2x24.1mm、右：7.76g/20.5x20.1mm、ref. Mitchiner 131/132
左右同一タイプです。（左は欠けはないがデザインが不明瞭、右はデザインが明瞭だか欠けありという事で、両方の写真をアップしています。）
表：右向きの牛、その背中の上と顔の前に卍、顔の前方下に6アーチよりなる丘、その下に水平な（波打つ）線、その下に魚と亀。フラン上部にブラフミ文字銘「Sebaka」。
裏：左上にスリバッサ、右上にナンディパダ（二重線で描かれ上に小さなタウリン）、下に二重丸が二つ。
尚、牛の前に、戦旗、一番右に柵に囲まれた木が追加されたバリエーションがあります。
このタイプは、マウリヤ朝崩壊後～サータヴァーハナ朝勃興の間の独立国として発行されたと考えられます。（時期の推定に幅があり、どこに分類するのか迷いました。）
地域的には、以前紹介したビダルバ地方と重なる地域です。PMCを紹介したアシュマカの後継国家の一つだったのかもしれませんが、この地域はいくつもの政体があったようなので詳しい事は分かりません。
② PB Unit (Karshapana), Sebakas of River Penner Valley, 2nd～3rd Century AD
3個体は同じようなデザインですが、左と中の個体は同じタイプの可能性が高いですが、右は表の周縁部に銘があり異なるタイプです。
左：9.28g/27.3mm、中：8.55g/24.6mm (Hiranjakas, ref. Pieper 631現品）
右：12.61g/26.6x22.4mm, ref. Mitchiner 4974
表：右向きの馬、その前に太陽？、上にスリバッサ。
裏：左に6アーチの丘、右に柵に囲まれた木、下に魚（小さなドット）が泳ぐ川（波線）。
右の個体の銘は：
Brahmi legend " Raño Vasathiputasa Hirañakana Siri Khada Sagama Kamasa "
又は、
Siri Kutura Khadakamasa :Hiranyakas of Central Karnataka / Rayalseema region. Lead coin of ” Siri Kutura Khadakamasa” (200-250 AD), Brahmi legend - " Rano Kosikiputasa Hiranyakanam Siri Kutura Khadakamasa "
の可能性があり、Hiranjakas のものと思われます。
発行した政体は、Sebakaとされる場合と、Hiranjakasとされる場合と二通りあります。概ね200－300AD頃のものと考えられています。
インドの収集家のブログ等を見ると、同じようなデザインでいくつものタイプがあります。残念ながら、自身の3個体を正確に特定することはできませんでした。
（続く）
参考：
Pre Satabhahana, Sebaka, AE (worldofcoins.eu)
Sebaka Coin sold for INR 27,000 | Mintage World
Sebakas of Vidarbha | Mintage World
古代インド ２８ ビダルバ（Vidarbha） | アジア古代コイン (ameblo.jp)
古代インド ２９ アシュマカ/アッサカのPMC | アジア古代コイン (ameblo.jp)
INDIA, HIRANYAKA: Lead coin with srivatsa above horse. Rare. | Ancient Eastern Coins (vcoins.com)
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