(梓川と上高地)
目指すはあそこの上高地。手が届きそうです。
ところが、かなり険しい下り道。
さっきまでいた山頂が、仰ぎ見る様な感じです。
この脆い急な斜面が、上高地の大正池の方向に伸びていて、下山路はその真っ只中。これやばくない?
確か、大正時代の焼岳噴火で梓川が堰き止められて大正池ができた。と言う事は、万一同じような噴火が起こったら、ここは溶岩か火砕流の通り道。
急いで通過しないと!
でも、気になるものは撮影。
足下が脆く、細心の注意を払っての下山。しかし、気持ちばかり焦って足下ばかり見ているので、途中2度も道を間違えました。(当たり前ですが、時々落ち着いて立ち止まってルートの全体像を確認しながら進むべき!)
やっと中尾峠を越えて反対側のやや小高い丘に着きました。ここまで来れば一安心と、ゆっくり弁当タイム。
大正池が直ぐ下に見えます。
下の谷は如何にも溶岩や火砕流が流れ落ちそうです。上に噴気がまだ見え、噴火口の斜面も北峰の右が低く溶岩が溢れてきそう(考えすぎですね)。
もう余裕です。
他の登山者のレポートではこのルートは有名なハシゴ場が三つあると。その一つ。長いハシゴを三本繋げているので、かなり高度感があります。
ただ、ハシゴはしっかり固定されてさえいれば、ハシゴのない岩場より安全なはずですから落ち着いて降りれば大丈夫。
上高地が近付いてきました。
まだハシゴ。
しかし、思ったより長いルートでいつまで降りても目の前に見える上高地に着きません。
途中すれ違った登山者から熊出没情報。鳴らすのを忘れていた熊鈴を慌ててオンにします。途中まで一緒だった岡山の人からも遅れてしまい殆ど人と会いません。
やっと登山道が終わりました。
初めて上高地に足を踏み入れました。
梓川と穂高連峰の一部
六百山(左)と霞沢岳(右)。間のギザギザが三本槍。
梓川の水の青が思ったより透明感があって綺麗です。
新緑と梓川の青が素晴らしい!
ここで、スマホのバッテリーが切れて、写真が撮れなくなりました。悔しくて仕方ないですが…。
さすがにインバウンド含めて観光客多い。しかし、河童橋から眼前に迫る穂高連峰を見ると、ここに人が集まるのは納得です。(写真なくてすみません。ジャンダルム、奥穂高、前穂高が綺麗に見えます。上級者しか足を踏み入れられないジャンダルムを意識して見たのは初めてです。)
(上高地公式サイトより)
実物の存在感は圧倒的で、写真では表現できそうにありません。
午後はやや逆光気味なので、午前中に来るべき。
と、バッテリー切れの悔しさを紛らわせました。
ちなみに、河童橋から反対を見ると焼岳が岩肌露わに起立しています。(これも逆光)。
河童橋あたりは、景色よくオシャレな感じの店が固まっていましたが、その手前で力尽きて地味な山小屋(でも感じの良い店)で、ペプシとアイスを貪ったので、後悔しても後の祭り。
大正池まで歩く気力なくバスターミナルから沢渡行きバスに乗車。大正池は満員バスの車窓から見るだけとしました。
上高地からの出口の長い釜トンネルを抜けると、中の湯温泉バス停。一人ポツンとおりました。
このバス停「中の湯温泉」ですが、歩いて温泉までは登りで30分以上かかります。これ知らなかったら大変ですね。
駐車場までは元気にスイスイ到着。カーブに番号がふってあり、登山口駐車場は第10カーブの先だと分かっていたので精神的にも楽。
中の湯温泉でゆっくり汗を流して、無事登山完了です。
帰路、ちょうど途中まで一緒だった岡山の登山者が登ってきたので、彼を乗せて再度駐車場へ。(上高地でゆっくりされていたそうです。)
途中2人の登山者もかなり疲労した様子で登っていましたが、ごめんなさい、軽なので荷物もあり満員で声はかけませんでした。
長い一日。帰りの高速も眠気は感じず無事帰宅。
結局、その後焼岳の噴火警戒レベルは引き上げられませんでした。
上高地へは、奥穂高目指しての再訪を誓いました。
(終わり)