古代インド 33 ウッジャイン(Ujjain)その3

 

 

かなり間が空きましたが、前回・前々回に続いて、ポストマウリヤ朝時代のマールワー地方の西部の主要都市・ウッジャインです。

 

3.動物のモチーフのもの

象・コブウシ・馬のモチーフが表、ウッジャインシンボルが裏のタイプですが、ウッジャインコイン全体の中ではマイナーなものです。小単位のものが多く、余りパッとしない感じですが、簡単に紹介します。

 

(a)  象のモチーフ

 

 

 

表:左又は右向きの象

裏:ウッジャインシンボル各種

 

1.98g/13.8x12.3mm/1.7mm(上左)

1.61g/11.9x11.1mm/2.3mm(上右)

0.62g/8.0mm/1.8mm(下左)

0.60g/7.8x8.2mm/1.4mm(下中)

0.43g/8.2x7.9mm/1.4mm(下右)

 

 

(b)コブウシのモチーフ

 

 

表:右または左向きのコブウシ。上部に卍やインドラの軍旗等のシンボル

裏:ウッジャインシンボル各種

 

0.97g/8.9x11.2mm/1.7mm(上)ref. BMC13

0.59g/8.3x8.3mm/1.5mm(下左)

0.59g/9.4x7.6mm/1.8mm(下中・同一タイプ)ref. BMC 13

0.50g/8.2mm/1.5mm(下右・表面の牛の上にウッジャインシンボル、裏面は6-armed symbol)ref. BMC 117var., Mitchiner 4652 var.

 

(ミッチナー図録の関連個所。但し近いタイプではない。)

 

動物タイプは、CoinIndiaでも同一又は似たタイプが多数掲載されています。

 

 

3.まんじ(卍)シンボルのもの

 

 

表:まんじ(卍)が一個ないし二個。卍の先に小さなシンボル。

裏:左に、6-Arm-Symbol。真ん中に、軍旗(?)とその上にタウリン(?)。右に人物。

Ref. BMC 82, Mitchiner 4628 var.

 

まんじ(卍)が一つのタイプ。上の行左から:

2.56g/15.9x11.6mm/2.7mm(卍の先にシンボルは無い)

3.41g/16.8x13.1mm/2.9mm(卍の先に象のような不明シンボル)

2.17g/14.3x14.0mm/1.9mm(同上)

2.16g/14.0x13.0mm/2.3mm(卍の先にタウリン)

 

まんじ(卍)が二つのタイプ。下の行左から:

5.02g/14.7x16.5mm/3.0mm(卍の先にシンボルは無さそう。ダブルユニット。)

2.89g/14.9x14.7mm/2.2mm(同上)

 

このタイプは、大英博物館コレクションやミッチナー図録では、ウッジャインに分類されていますが、CoinIndiaのウッジャインでは触れられていません。

 

あくまで想像ですが、現地(最近)ではウッジャインではなく、マールワー地方の別の国の発行とされているのだと思います。ウッジャインコインとはデザインがかなり異なりますので。

 

個人的には、古いもの、そして、現存数が少ないものが好みなので、現存数の非常に多いウッジャインコインは余りコレクションには加えていない分野です。従って、オークションで見かけても(よく見かけます)、又ウッジャインの同じようなコインが出ていると注意を払ってきませんでしたが、よく見ると地味ですが面白い分野ではないかと思います。

 

ウッジャイン - Wikipedia

Ujjain - Wikipedia

Oriental Coins and Their Values, The Ancient & Classical World, 600 B.C. – A.D. 650, by Michael Mitchiner, 1978年

The COININDIA Coin Galleries: Ujjain

 

 

(ウッジャインコイン終わり)

 

PS: 本ブログ掲載のコンテンツ(写真・文章等)の無断使用を禁じます。利用ご希望の方は、hirame.hk@gmail.comへご連絡ください。