秋の八ヶ岳連峰(その4:大岳)
10月後半になると、さすがに高い山は気温も下がり、特に天候の急変が怖いので、そろそろ、今シーズンのまあ本格的な登山も、そろそろ打ち止めにしようという事で、北八ヶ岳の大岳を選びました。
大岳は、標高2,381m、北横岳の隣にあり、北八ヶ岳ではまだ登ったことのない主要な峰の最後の一峰です。ほとんど無名ですが。
蓼科山の登山口の一つの、大河原峠→双子山→双子池→大岳→北横岳→亀甲池→天祥寺原→大河原峠、の周回コース。
数か月前家族で双子山→双子池に行った時にはガスガスで十分楽しめなかったので、今回はそのリベンジ。また、以前「天祥寺原」は美しいとの話も聞いたこともあり、北八ヶ岳エリアで行ったことのない最後のピースを埋めるにはちょうど良いコースです。
距離:8.4km、標高差:+/-807m、予定所要時間:約7時間
(主要な峰でないので、信州山のグレーディングに記載なし)
数字を見る限り、数日前に登った赤岳より楽に見えるのですが、双子池から大岳へのルート上に気になる地名、「天狗の露地」というのがあります(赤い矢印の部分)。大きな岩がごつごつしているところに「天狗のなんちゃら」と地名をつけている気がして、どうも苦手な登山道かも知れないと嫌な予感を抱きながら…。
この付近の紅葉はピークでした。
30分ほどで楽々双子山山頂。
双子山山頂から、今日の目的地の大岳、そして北横岳がかなり近くに見えます。
30分ほど下ると、双子池。
名前の通り、雄池と雌池の二つの池からなります。
これは雄池。
こちらは雌池。
紅葉は残念ながらそんなにきれいではない。
二つの池の間に何故か笑顔のお地蔵さん。
ここからは初めてのルート、大岳に向かって登って行きます。
苔がふかふかの道だと思っているうちに、ルートを外れてしまいました。登山道なのに、苔の上を歩けるはずがない。苔を散々踏み倒してしまった!
なんとか修正して、登山道に戻り、高度を上げていきます。
そして「天狗の露地」に到着。
双子山と遠くに浅間山が見えます。
東側は奥秩父山塊・御座山と雲海。
植生に隠れていますが、やはり天狗の露地なので、大きな岩がゴロゴロしています。
ここまでは、恐れるほど岩だらけではなく、目指す大岳も近くに見えるので、もう少しかな…と楽観したものの、実は、ここからが大きな岩の連続で、登っても登っても着かない。体力がかなり削られました。
そしてやっと、北横岳から大岳に向かう登山道に合流。
程なく大岳山頂。
山頂表示がボロボロで、小さく「大岳」の表示(赤丸の部分)。かなり雑な扱いの山。
八ヶ岳連峰が今度は北から南に連なって見えます。
反対側は蓼科山。
北は、佐久盆地、浅間山。手前はJAXAの望遠鏡。
山頂で一緒になった人と話していると、やはり双子池→大岳の区間で、足が上がらなくなって遭難しかかったとの事。マップ上の標準コースタイムはかなりおかしいのでは?と。 同感です。
予定よりかなり遅れているので、焦って北横岳へ。
ところが北横岳への分岐標識を見逃して、又天狗の露地近くまで降りてしまいました。結果、今日の一番きついルートを登り2回、下り1回行き来することに。焦るとろくなことが無い典型例です。
相当疲れました。
やっと、北横岳北峰。夏に来た時の賑わいは無く、殆ど無人。
北横岳南峰も同じ。天気は良いが寂しい気分。(人が多いときはそれはそれで文句たらたらですが…。)
ここから、亀甲池に向かっております。誰もいないのでクマでも出ないかと不安です。時間も気になります。暗くならないうちに登山口に帰りつかないと。
ただ、この先のルートも含めて西日が良く当たるので、なんとかなりました。
少しだけ紅葉の綺麗な斜面。 浅間山の噴煙が良く見える。
亀甲池まで降りると、後はそんなに急斜面は無いはず。やっと他の登山者夫婦にも会えて一安心。
ただ、天祥寺原への分岐が分かり難く、時間的にもう道迷いはできないので慎重にルートを確認して進みました。
蓼科山の下に向かって。だんだん西日の蔭が降りてきています。
天祥寺原。もう少しで大河原峠登山口に戻れます。
笹原に針葉樹が点在する南西向きの斜面なので、西日でも明るく、不安は吹き飛びました。人っ子一人いませんが。
振り返ると北横岳。かなりの距離歩いた感覚ですが、実際はすぐ近く。
そして大岳。これもまだ近い。
左、大岳。右、北横岳。
最後は双子山の斜面に日が当たって、少しカラ松の紅葉が映えました。
しかし、今日は8時間以上歩いているのに、凄く狭い範囲を周っていたかのようにどの峰もすごく近くに見えます。
無事、登山口に帰りつきましたが、予定より2時間遅れ。結構危なかった。
しかし、ご褒美が。 西日に染まる佐久盆地、
逆光に映える蓼科山、
最後は、黄色く染まる北アルプス。穂高連峰・槍ヶ岳!
終わり良ければ総て良し。
(秋の八ヶ岳連峰終わり)
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