甲武信ヶ岳と千曲川源流を訪ねて
甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)は名前の通り、甲州・武州・信州にまたがる、奥秩父山塊の山です。標高2,475m。
今回は、長野県川上村の毛木場(もうきば)駐車場から、千曲川源流を経由して頂上を目指します。
結構、距離が長く、往復14.3km、標高差1,044m。コースタイムは休憩も入れて9時間半。テレビやウェブの紹介では頂上直下の甲武信小屋一泊二日の行程が多いのですが、日帰りができるかどうかのチャレンジです。
こんな山中に大山祇神社。確か愛媛県今治市の瀬戸内海の島・大三島が総本社のはず。
千曲川に沿って登っていきます。
ナメ滝
苔が凄い。ここも、「もののけ姫」の着想を得た場所と言ってもおかしくないか。
ナメ滝を過ぎてから、千曲川源流までの距離が長かったのですが、やっと着きました。
千曲川は新潟県に入ると信濃川。いわずと知れた日本一長い河川。その最初の一滴がここから湧き出しています。この水が冷たくて美味い!
急斜面を登って、主稜線へ到着。
山頂です。今日は雲が多く展望はいまいち。富士山も見えず、周囲の山もどれがどれだか良く分かりません。昨年登った金峰山や、奥秩父山塊の最高峰・北奥千丈岳(標高2,601m)、国師ヶ岳あたりは見えているとは思いますが。
予定より早く頂上に着いたのと、甲武信小屋のカレーが有名なので、頂上から反対側に10分ほど急斜面を降りて小屋にたどり着きました。
とこらが、がらーんとして登山客は皆無。小屋番の方にカレーが食べたいとお願いしたのですが、カレーは宿泊客用で夜しか出さないとの事。事前に知っていればここまで降りてこなかったのに!急斜面を頂上まで登り返して下山しないといけなくなりました。
小屋番の人も、しょっちゅうカレーカレーと言われるので困っていると。本人はこの小屋の名物はカレーと登山愛好家の間で認識されていることに気が付いておられない様子。素人的には、カレーは作り置きができるので、昼も提供すれば商売繁盛するのではと思うのですが、どうもそういう色気は無いようです。
小屋番の人から、折角ここまで来たのだから、近くの三宝山に行ってはどうかと。有名な山ではないが、実は甲武信ヶ岳より標高は高く、このあたりで一番高い山。30分もあれば行けるというので、折角なので行ってみました。
三宝山。標高2,483m。後から調べて知ったのですが、埼玉県最高峰だそうです。
三宝山付近から見る甲武信ヶ岳
甲武信ヶ岳山頂より望む三宝山
甲武信ヶ岳山頂より、川上村・南北相木村の山々が見えるが、黒い雲が垂れこめてきて、天気が崩れそうな気配。急いで下山。
(左が、男山と天狗山、右が御座(おくら)山)
登山口近くまで降りてきました。ここには、マルバダケブキの大群生地です。斜面見渡す限りの群生で、今まで見たことのない規模。まだ花はちょっとしか咲いてないのですが、満開になると一見の価値あるかもしれません。
無事下山。登山口下の、梓山集落。多分、信濃・千曲川最上流の集落。
川上村は全国一の高原レタスの産地。アメリカ製の大きなトラクターや農薬散布機を導入、いわゆる農業実習生(中国人・インドネシア人他)を使って大規模プランテーション的な運営で、相当経済的に潤っているように見えます。普通だったら下界から隔絶された貧村のはずが、見ての通りの立派な集落。(このブログの最初の写真に高原野菜の畑が少し写っています。)
距離は長いものの、千曲川源流から主稜線までの間にさほど長くない急斜面があった以外、全体的には傾斜は緩やかでした。
6月のシャクナゲ、8月のマルバダケブキを見に再度訪れたい所ではあります。(登りたい山がたくさんあるので来年ですね。)
結果としては、かなり時間と体力に余裕をもって下山できたので、体力も去年並みに回復したかな。これで、次のステップを目指す自信が付きました。
(続く)
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