インドパルティア王国 2 ゴンドファルネス 補足(Gondophares I):在位AD19-46年頃?
前々回紹介したゴンドファルネスの②のコインについて、オークション会社より情報提供がありました。
結論としては、ゴンドファルネスのものではなく、ゴンドファルネスの系統の不明王の発行のものでした。レファレンス番号が間違っていて、正確にはSenior 204.1Tの原品です。
② アラコシア発行(?)のテトラドラクマ銅貨
INDO-PARTHIAN: Gondophares Dynasty Uncertain King, 40-5 BC?, AE Tetradrachm (8.63g/25.7mm), Senior-204.1T, Beard bust right with Greek legend around in straight lines on four sides / Winged Nike right with palm and wreath, Di in lower left field, ? in right. Kharosthi legend around in straight lines on three sides as above. (ex William F. Spengler)
表:顎髭のある王の胸像、右向き。上下左右4側面に直線状のギリシャ語銘「… IA… IOYNAΓΛ....」。
裏:ヤシの枝とレースの冠を持つ翼のあるニケ、右向き。左下にカローシューティ文字「Di」、右に「?」。上左右3面に直線状のカローシューティ文字銘「Maharayasa Yapirajayasa….」。
英文説明はSeniorの図録より。重量と径は実測値。
顎髭は、他のインドパルティアコインに見られる顎先に円錐形状に整えた髭ではないものの、よく見ると口の周りに髭が表現されているように見えます。
同じタイプで王の向きが左向きのもの(Senior 204.2T)も掲載されていて、表は「ΒΑΣΙΑΕΩΣ ΒΑΣΙΑΕΩΝ...」、裏は「...pirajayasa...」の部分が解読できるので、銘は同じものだと考えられます。二つを合わせるとだいぶ銘の解読できるのですが、それでも王名は不明です。
ゴンドファルネスのタムガはないのですが、ゴンドファルネス系統のやや珍しいコインのようです。
出典:
Senior, R.C. Indo-Scythian Coins and History Volume I-III CNG, 2001
Indo-Parthian Kingdom - Wikipedia
CNG
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