Roma Numismatics社長の逮捕(続報)

 

先日記事にしたRoma Numismaticsの社長の逮捕のきっかけとなったブルータスの「EID MAR」金貨は、ギリシャに返還されました。

 

「EID MAR」金貨の保有者(オークションでの落札者)が所有権を放棄し、その他の28個の美術品と共に、NY警察からギリシャ政府関係者へ返還されたと。保有者は匿名のアメリカの大金持ちだったそうです。彼が支払ったUS$4.2MMはだれが負担したのかは特に記述はありません。それは後日何らかの形で決着するとして、まずコインの返還が行われたという事ではないかと思います。返金されるのでしょうか?

 

出典:NGC/Daily Mail Online

 

このコインは、ブルータスがシーザー暗殺後の内戦の折、彼の軍が野営したと思われるギリシャで10年以上前に発見されたと専門家は考えており、国際的な犯罪ネットワークに乗って、Roma Numismatics社長の手にわたり、2013年頃から市場で売りに出されて、2020年にオークションで落札されたものです。

 

NGCの会長、マーク・ザルツバーグによると、「EID MAR」は間違いなく古代貨の中の最高傑作であるとの事。(他にも良い古代貨は沢山あると思いますが…。もっとも有名な古代貨という事か?)

 

尚、Roma Numismaticsの3月22-25日のオークションは、通常通りだったようで、現在は落札結果が表示されています。

 

但し、以下のような注意書きが記載されていますが、「来歴についての倫理的・道義的コミットメントとして:出品者は、出品物の法的所有権・販売権を持ち、文化財としての規制を受ける品物である場合は、米国・ドイツに合法的に輸入される要件を、別途記載のない限り、満たしていることを確約している。」という事ですが、オークション会社の責任等は明記ありません。巧いですね。イギリスや他の国については特に記載はないですが、そのような法律がないからなのでしょうか?

 

Our commitment to ethical and responsible provenance: the consignor affirms that this auction lot is their lawful property to sell, and where cultural property restrictions may exist, that it meets the requirements to be legally imported into the United States and Germany unless specifically stated otherwise.

 

前回の記事は、どちらかというと来歴の詐称によって、販売価格を違法に高く誘導した詐欺罪という事でしたが、今回は重窃盗罪他の容疑という事だそうです。

 

 

出典・参照:

British auction house boss is arrested in NYC over fraudulent sale of 'world's most expensive coin' | Daily Mail Online

New York Times

Ides of March coin - Wikipedia

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