モード誌編集者歴35年の

平工京子(ひらくきょうこ)です。
 

 

現役の雑誌編集者、
そして究極の

「おひとりさま」である私が、


1年間毎日ブログを

書き続けた結果、
 

「ブログ添削」という、

新しい道を見つけました。

あなたの大切なブログを
たくさんの方に

読まれるブログへ

大変身させるために、


雑誌編集者歴35年の

スキルを持つ私が
「ブログ添削」

プロを目指します。

 

 

宝石赤 宝石赤 宝石赤 宝石赤 宝石赤 宝石赤

 

 

私のしている仕事や

ファッション雑誌の世界は

華やかに見えるかもしれません。

 

 

たしかに

昨日のパーティのように

華やかで楽しい出来事も

たくさんあります。

 

 

(↓昨日の記事はこちら)

SPUR創刊30周年の感謝の会へ

 

 

でも、その華やかさに

反比例するように、

地味で根気のいる仕事でも

あります。

 

 

深夜の原稿書きや

校了、と言われる

最後の校正の作業。

 

 

撮影では、

忙しいスタッフの

スケジュールを押さえて、

撮影日を確定し、

 

 

その撮影プランに適した

スタジオやロケ場所を

取れるかどうかも

いつもハラハラします。

 

 

 

 

手元に、

撮影風景を撮った

スナップ写真がありました。

 

 

今から20年以上前のもの。

 

 

雑誌ではなく、

アパレルブランドさんの

春夏物のポスターと

カタログの撮影。

 

 

寒い冬の日の外ロケでした。

 

 

この日はお天気も

どんよりとした曇り空で

一筋の光も差しませんでした。

 

腰にブランケットを巻いて、出来上がったポラロイドを

真剣に見ているのが私です。

 

 

通常、こういう時は

ジェットヒーターという、

石油ストーブとドライヤーが

合体したような機材を用意します。

 

 

が、この時はロケ場所が

火気厳禁で、

ジェットヒーターが

持ち込めなかったのです。

 

 

モデルは10代後半の

東欧からやって来た女の子。

着る服は、春夏もの。

ノースリーブもあります。

 

 

撮影現場の近くには

トイレもありません。

 

 

寒さで、鳥肌が立ち

くちびるが青くなります。

 

 

コートを着込んでいる

私たちだって

充分寒いのですから。

 

 

 

東欧は美人の宝庫で

モデルとして東京にやってくる

10代の女の子がたくさんいます。

 

 

90年代から2000年代の

初めくらいまでは

内乱があった国もあったようで

小さいころから

辛い想いをしてきたのでしょうか。

 

 

そういう子たちの目は強く、

何かを背負っているようでした。

 

 

家庭が貧しく。

母国で待っている家族のために

東京でお金を稼ぐ。

 

 

そういう目標をもって

モデルとして短期間、

来日する子も多かったと思います。

たいていは2か月くらい。

 

 

 

 

残酷だけれど、

売れて仕事がたくさん入る子もいれば、

毎日毎日、オーディションばかりで

撮影が入らない子もいます。

 

 

だから、

毎日早朝からの撮影が続いて

くたくたで、

この日のロケのように

唇が青くなるくらい寒くても、

 

 

仕事がもらえた以上は

なんとか頑張るしかない。

 

 

弱音を吐く子もいます。

 

 

 

でも、結局は

ノースリーブのワンピース1枚で

何ごともないような顔で

プロとして極寒の中に立ち、

服を美しく見せなければなりません。

 

 

私たちは

そういうモデルの事情を

察しながらも

時間内に決められたカット数を

撮り終えなければならいのです。

 

 

それでもモデルたちは

みんな口をそろえて言います。

 

 

日本人はみんな優しい。

海外のスタッフの撮影は

どんなにつらい状況でも

モデルを気に掛けてくれる人は

誰もいない、と。

 

 

そんな風にして出来上がる

素晴らしい写真が

たくさんあるし、

 

 

その作品がモデルを

もっと高いステージに

押し上げてくれることも

多々あります。

 

 

海外で超売れっ子になってしまって

もう日本には来なくなるモデルも

たくさんいました。

 

 

 

 

ここに写っている

撮影チームのメンバーは

みんなそういう事情を共有して

この場にいます。

 

 

寒さのせいで

モデルのコンディションは良くなく、

どんよりとしたお天気が

それに輪をかけ

撮影がなかなか決まりません。

 

ロケバスの中でミーティング。

 

 

それでもなんとか、

助け合って

ひとつの作品を作り上げます。

 

 

だから、

撮影を一緒にしたスタッフは

どこか同じ釜の飯を食った

仲間のように感じるのです。

 

 

*この撮影のスタッフの皆さん、                                                       

無断掲載でごめんなさい。

何か問題ありましたら、

お手数ですがご連絡くださいませ。