「まる書いてチョン」と「中今的な宇宙感」- 日本の深層精神文化の探求
「まる書いてチョン」- 禅の円相(えんそう)
![]()
「まる書いてチョン」という表現は、禅における**円相(えんそう)**の本質を表現した言葉として解釈できます。円相は禅における書画のひとつで、図形の丸を一筆で描いたものであり、「一円相(いちえんそう)」「円相図(えんそうず)」とも呼ばれます。
円相の深い意味
円相は単なる円ではありません。それは:
- 悟りや真理、仏性、宇宙全体を円形で象徴的に表現したもの
- 始まりも終わりもなく、角に引っ掛かることもない円の流れ続ける動き
- 仏教が教える捕らわれのない心、執着から解放された心を表現
「己の心をうつす窓」という意味で「円窓」と書かれることもあります。
禅書における円相の本質
文章で説明すると冗長になってしまう禅道の真髄を、シンプルに「まる」で表現してしまうのが円相の力です。「まる書いてチョン」という表現は、この一筆で完成する円の簡潔さと完璧さを表現していると考えられます。
「中今」(なかいま)- 時を超えた宇宙的意識

中今は神道の根本的な考え方で、今というこの一瞬を無心に生きることこそが、人間として美しい生き方であると説いています。
中今の本質的な意味
中今とは、今を生きることによって、真善美を創造し、自然と宇宙と一体になるという考え方です:
- 今が永遠であると捉える
- 過去や未来は、今に形づくられるもの
- 過去・現在・未来が折り畳まれている状態
- 時間の矢の次元を超えたところにある世界
禅との共通点
禅でいうなら、「即今、当処(とうしょ)、自己」- そのときその瞬間に、自分がいるその場所で、するべきことを自分でやるということです。
禅には「前後際断」という言葉があり、前際(過去)も後際(未来)も断ち切られた別次元に入るとき、時間軸を超えた空の境地が開けるとされています。
「中今的な宇宙感」の統合的理解
円相と中今の融合
「まる書いてチョン」の円相と「中今」を統合すると、以下のような宇宙感が浮かび上がります:
-
時空を超えた一瞬の完全性
- 円相の一筆で完成する完璧さ
- 中今の時間を超えた永遠性
-
無限と有限の統一
- 円の無限の連続性
- 一瞬の中に凝縮された宇宙
-
創造の源点
- ゼロポイントから様々な結びが起こる
- すべての可能性を含む「空」の境地
現代的な意義
この「中今的な宇宙感」は現代においても重要な意味を持ちます:
- 不安や恐れからの解放:起こってもない未来を想像して不安に駆られることから離れる
- 自己肯定感の向上:今に集中することで達成感が増し、自己成長の好循環が生まれる
- 創造性の開花:直感を超えた「直知」の領域がはたらくようになる
実践への道
日常での活用
-
円相を描く実践
- 一筆で円を描き、その瞬間に集中する
- 完璧を求めず、その瞬間の自然な動きに任せる
-
中今の意識
- 過去のどこかではなく「今ここ」に存在していることを意識
- 目の前のことに全力で取り組む
-
統合的な実践
- 円相を描きながら中今の意識を保つ
- 一瞬一瞬を宇宙の中心点として体験する
結論
「まる書いてチョン」と「中今的な宇宙感」は、日本の深層精神文化における時空を超えた智慧の表現です。円相の一筆の完璧さと中今の時を超えた意識が融合することで、私たちは宇宙的な視点から自己と世界を理解できるようになります。
この古来の智慧は、現代の複雑な世界においても、心の平安と創造的な生き方への道しるべとなり続けています。
参考資料
