チェストプレスでも、ダンベルでも
私は見事に打ちのめされた。
だが、不思議なことに
心は、折れていなかった。
むしろ、こう思っていた。
「いいね、いいね。これはやりがいあるってもんよ」
できない。
持てない。
押せない。
それはつまり
伸び代しかないということだ。
マシンを眺めながらふと、こんな考えが浮かぶ。
「これ、扱えるようになったら……嫌でも体、変わるんじゃね?」
想像してしまったのだ。
数ヶ月後の自分を。
今はまったく歯が立たない重量。
それを、当たり前のように扱っている自分。
そのイメージが、妙にリアルだった。
そして、口元が緩む。
「うわぁ……楽しい」
この瞬間、私は確信していた。
ダイエットとして始めた筋トレは
もう単なる「手段」ではない。
続けたいものに、変わっていた。
