「安い物にはワケがある」
これは凡ゆる物事に当てはまります。単純に薄利で商品やサービスを提供しているだけなら問題ありませんが今回事故を起こした格安ツアーはバスの運賃が法定下限を下回っていました。この安値はどのように実現する為に杜撰な運行管理や中古のバスを使用したりします。
観光バスの新車は4千万円くらいするみたいです。新興のバス会社で新車を用意出来るところは多くはないと思います。中古のバスは電鉄系のバス会社が使い終わったものを専門の業者が再商品化したものが殆どです。
再商品化するのはそのままでは使えないからです。例えばシートは破れたりしていたらそのままでは駄目なので張替えたりシートを交換したりします。シートを交換と言っても新品にすることはないのでストックしているものを使ったりします。バスも普通の乗用車もメーカーから出荷されたままでないと想定したパフォーマンスは発揮出来ません。特にシートは取付位置が変わるだけで全く性能が低下します。今回の事故の車両はわかりませんが再商品化された安価なバスは新車とは程遠い個体が殆どです。逆に言えば新車を使ってバス運賃を安くすることはほぼ不可能だと思います。そしてバスは新しいものでも構造上の問題でルーフにはそれほど強度がありません。あんなカタチの衝突の実験なんてしたことないと思います。最新のバスで同じことを再現したら事故は回避出来る性能はあるかもしれませんがひとたび事故が起きたら結果は同じだと思います。
今回事故を起こしたバス運賃は19万円だったみたいです。例えばJRの高速バスで名古屋~東京で乗客が少なかったら1回の走行の売上は10万円以下なんてザラにあると思います。大型トラックの運賃も下がり続けています。それと比べるとお金が残るってことです。だから全然違う業種から始めるワケです。
スキーやスノーボードに少しでも安く行きたいしスキー場も1人でも多く集客をしたい。私もスキーをかつては楽しんでいましたが今では行きません。周りでもスキーする人は減りました。結局のところ学生をターゲットにして行くしかないのが実態でしょう。運転手のうまい下手を抜きにしたら同じような事故は起きる可能性はなくならないのかもしれません。