「物納」にあたっては、資産価値の高い財産から物納する必要があります。

「あの土地はいらないから、それを物納しよう」というわけにはまいりません。

地価の高いものから納付することになります。

 

 相続財産に不動産が多いなら、それを売って納税資金に充てればいいのですが、それが難しいこともあります。

 地主さんによくあるケースです。

「先祖代々の土地は、売りたくない」という方が多くおられるようです。

 

 親がJRの駅周辺にたくさんの不動産を持っており、二次相続の時に多額の相続税が発生したという話を聞きます。

 相続税を納めるにも、現金がありません。

先祖代々の土地は手放すわけにはいかないということで、最終的に銀行から多額の借金をするということになってしまいます。

 

 もし、親が納税資金のことを考えていれば、不要な借金をすることはなかったでしょう。

 また、遺言書に「この土地は、売っても良い」という一言があれば、子どもも不動産を処分するという決断も容易にできたかも知れません。

 

 一次相続の時までに、問題点を探って準備をしておくのがベストですが、一次相続が終わってから二次相続が起こるまでにできることもたくさんあります。

 

 時にみなさんのお子さんが一人っ子の場合は、相続税がかなりの負担となってしまうことが多々ありましょう。

 「贈与」や「生命保険」を使って、相続税対策を講じておくのも一つの方法といえます。

 

 

      平 成 29 年 10 月 3 日 

            行政書士 平  野  達  夫