コミュニケーションなくして、円満な相続は成り立ちません。
相続の準備をするためには、先ずは親子間のコミュニケーションが必要といえます。
親が子の価値観や、人生設計を理解せずに、独断で準備してしまいますと、結局は相続争いが起こってしまいます。
「子供と相続の話をするなんて・・・。みんなちゃんと話しを聞くかな・・・」
もちろん、今までほとんど親子の会話がなかったとしたら、いきなり相続の話をされたのでは、さすがに子どもたちも面喰ってしまうでしょう。
親が亡くなることなんて、子どもからしたら考えたくないことです。でも、みなさんの死後、本当に子どもにモメてほしくなければ、みなさんの考えを、子どもたちに伝えなければなりません。
自分の死後、お前たち兄弟姉妹で争ってほしくないんだということをよく話した上で、「自分はこうしたいと思うけれど、お前たちはどうなんだ?」と、聞いてみてください。
そうすることで、思いもよらないことが返ってきて、相続準備の方向性が大幅に変わってくるかもしれませんね。
思い切って相続の話を切り出すことで、親子の絆が深まるきっかけとなった方も多いのではないでしょうか。
親の言葉は、大変影響力があります。
子どもは、本能的に親の言うことに従おうとします。
親がきちんと意思を示していれば、出来る限りそれを尊重しようとします。
「親が死んだ後のことなんて、子どもが考えるもんだ」と、何も言わないでおくと、子どもたちからは親の意思が分かりません。
最後は、兄弟姉妹がそれぞれの権利を主張してモメてしまいます。
平成 29 年 7 月 29 日
行政書士 平 野 達 夫