財産を誰に何をあげるのか、どう分けるかの作業をするうえで考慮すべきなのかは、みなさんのこれからのことです。

 

 それは、あなたの「介護」です。

「介護」が必要になったとき、みなさんは家族の誰にお世話をしてもらいたいでしょうか。

 

 今ある家族のスタイルを踏まえて、誰がみなさんのお世話をすることになりそうか、考えてみてください。

 

 確かに、「要介護のことなんて、考えたくない!」とおっしゃる方もおられるかも知れませんね。

でもそこに目を向けないでいますと、後々「相続争いの原因」を作ってしまうことにもなりかねません。

 

 この「介護」は、大変な労力を必要とするものです。

容易なことではありません。

たとえば、「介護」をしてくれる子供には、財産を多めにあげるということを想定しておきますと、みなさんが亡くなったあと、残された家族が揉めないですみます。

 

 一方、誰にも世話になりたくないから、老人ホームなどの施設に入りたいという方もいらっしゃるかも知れませんね。

 

 その場合は、老人ホームなどの施設入所等の費用を別にしたうえで、遺産分割することも視野に入れます。

 

 家族の誰の世話にもならずに亡くなるということは、なかなかないと思います。

親族がいる以上、誰かに何らかのお世話はしてもらうものと考えておいたほうが良いでしょう。

 

 誰に「介護」をしてもらいたいかを考え、先の財産分割を考えみて下さい。

これは、大変大切なことです。

 

 

             平 成 29 年 3 月 8 日

                    行政書士 平 野 達 夫