相続税の金額は、複雑な計算になります。

ところで皆さんの中には、その大体の金額を出してみたい方もおられると思います。

 

 先にもあげた例で、一つ計算してみましょう。

母親が亡くなり、2人の子供が相続人となる場合を考えます。

相続財産は7000万円です。

 

 この7000万円から「基礎控除額」の4200万円を差し引いた、2800万円に相続税がかかると考えます。

 

 法定相続人の2人が半分ずつ相続し、それぞれが1400万円を受け取るとしましょう。

税制改正後は、法定相続人の取得金額が1000万円から3000万円までの場合ですと、税率は15%で、その「控除額」は50万円です。

 

 それで計算しますと、法定相続人2人の子供の相続税は、それぞれ「160万円」ずつとなります。

 

 これを聞きますと、「改正前は無税だったんだから、なんとか支払わずにすませたい!」という方もきっといらしゃるでしょう。

 でも若しかしたら、実際にあなたの準備次第では、納める税金の額をほぼゼロにすることも可能かも知れませんね。

 

 なお、相続人は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に、税の申告をしなければなりません。

 

 これに遅れますと、「延滞税」も課せられてしまいます。

あらかじめ、申告の必要があることを伝えておけば、相続人もあわてることもないでしょう。

 

                 平 成 28 年 9 月 23 日 

                               行政書士   平   野   達   夫