「相続財産の多くが貸地」という方は、結構いらっしゃいます。


 貸地は、相続税評価においては、「貸宅地」と呼ばれます。

この評価は、残念なところ低いです。


 通常の路線評価で、たとえば、1億円の土地であったとしましても、実際は、3000万円から4000万円ほどの評価になってしまいます。


 また、借りている側の借地人が亡くなった場合を考えて見ますと、こちらは6000万円や7000万円ほどの財産価値があるとして、高く評価されるケースも出てきます。


 このように、「貸宅地」が低く評価されるには理由があるようです。

貸地は、簡単には返ってきません。


 すなわち、「借地法」で借地人側の権利が、手厚く保護されてことにあります。


 そのため、「正当な事由」がないと、借地人の立ち退きを求めることもできません。


 たとえば、借地人が地代を払わないなどの「正当な事由」が必要で、なかなか容易ではありません。


 また、借地としての契約期間が切れたとしても、原則的には更新されるのが、実情のようです。


 貸地人がその更新を拒むにあたっては、これまた、「正当な事由」が求められます。


 「登記上は自分の土地であったとしても、実際は、借地人のもの」という格好です。


 土地所有者としては、大変理不尽で不可解なところと言えるかも知れません。


 「貸地は、なかなか容易には返還されない」という実情を、しっかり受け止めておく必要がありましょう。



      行政書士  平 野 達 夫


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