「遺言書」を書くことで、「兄弟に相続させない」ことができます。


 ところが、被相続人のAさんは、種々の病気と加齢によって、意思表示がうまくできなくなっていました。


 このような状態になっては、たとえ「遺言書」を書いたとしても、裁判で被相続人本人の意思能力が争われ、無効となってしまうこともでてきましょう。


 被相続人の兄弟姉妹は、「被相続人に子供がいれば」、当然ながら法定相続人なることはできません。


 Aさんの奥さんは、「自分たちに子供がいれば」と、あらためて思います。


 ところで、奥さんには、妹がいます。

その妹の子供、つまり、奥さんからみれば、甥にあたります。


 小さい頃からとてもかわいがっていました。

夫のAさんも、甥を自分の子供のように接していたようです。


 夫のAさんが、まだ健康だった頃、「あの子に、私の財産を渡せないだろうか」と言っていたことを、奥さんは思い出しました。


 そこで奥さんは、考えました。

顧問の先生に相談します。


 甥を自分たちの「養子」にすれば、被相続人の財産は、配偶者の奥さんと甥が相続します。


 先の将来、甥の奥さん、その子供たちへと、その財産は引き継がれます。

これで、解決、一安心です。


 ただ、問題は、あります。

それは、相続開始に伴い、相続税の負担です。



      行政書士  平 野 達 夫


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