ここで、養子を取ることで、どのくらい税金が下がって来るかを試算してみましょう。
養子が1人加わって、法定相続人が配偶者の妻、実子の長男、及び養子の3人になりました。
当該基礎控除は、あなたもお分かりのように、計算により8000万円になります。
課税総額は、1億7000万円です。
これを3人で、「法定相続分どおりに分けた」と仮定して計算してみます。
妻 : 1億7000万円×2分の1=8500万円
長男 : 1億7000万円×2分の1=4250万円
養子 : 1億7000万円×2分の1=4250万円
となります。
これらに対する各税額は、前述の 「法定相続分に応じた取得額」×税率-速算控除額の図式計算により
妻 : 8500万円×税率30%ー700万円=1850万円
長男 : 4250万円×税率20%ー200万円=650万円
養子 : 4250万円×税率20%ー200万円=650万円
となります。
すなわち、妻、長男、養子の3人合計で、相続税は3150万円となります。
養子を1人迎える前より、850万円ほど下がっていることがお分かりいただけましょう。
妻の「配偶者税額軽減」を考慮しますと、長男と養子の合計で1575万円となり、425万円の節税ともなっています。
養子をとることで、基礎控除が1000万円大きくなることに加えて、「仮相続税額」の計算において、「税率が下がる」ことも影響してきます。
このように、養子をとることの節税効果は、意外に大きいことがお分かりいただけましたでしょうか。
行政書士 平 野 達 夫
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