従来の相続対策は、「節税」、「納税資金」、「分割」の3つが、軸であったと言えます。


 すなわち、主に相続税の申告・納税がメインで、節税が中心になりがちでした。


 これは、将来に悪影響をおよぼす対策を立ててしまうおそれがないとは言えません。


 「現在」の視点としては、「今のままでは相続税が大きくなるので、少し下げよう」という程度ものでしかありません。


 また先に関しては、「遺産分割や納税ができる」という程度の、「直近の未来」しか考えていません。


 要は、「相続税の申告・納付さえできればよい」という感覚であります。


 もしここで、しっかり「現在」の視点があれば、税金だけでなく、「現況の土地の活用方法は適切か」というところまで考えが及びます。


 更に「未来」の視点は、長期的なものです。

もしその視点に立てば、「節税のために建てたマンションに入居者が入らず、借入金の返済が困る」といったことも、回避できましょう。


 「従来型の視点」により立てた相続対策の失敗例は、多く見られます。


 逆に言いますと、「過去・現在・未来」の視点があれば、起こり得なかった失敗でもあるかも知れません。


 「あるべき視点から、あるべき対策は生まれる」 

すなわち、本来のあるべき相続対策とは、「過去」「現在」「未来」の長期的視点に立った対策でもあります。


      行政書士  平 野 達 夫

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