相続税は、先ずは「相続税の総額」を算出します。
これは、相続人全員の合わせた税額です。
各相続人に対して、「あなたは、相続財産の〇〇パーセントをもらいます。したがって、相続税についても、相続税の総額の〇〇パーセント負担しなさい」というかたちで、税額が決まることになります。
至極当然のことと言えば、当然のことのようにも思われましょう。
しかし、これもなかなかどうして、大変なことです。
つまり、すべての被相続人が所有する相続財産が評価できたとしても、相続税の総額だけしか決まらないのでは、基本的な解決にはなりません。
すなわち、申告においては、個々の具体的な分割内容についてまで、しっかりと固めておく必要があるということです。
このように「遺産分割」は、時間と手間がかかるものと言えます。
相続人の皆にとっては、一大作業です。
次に、被相続人の葬儀を無事終えたところで、相続人全員が一同に会する機会を作らなければなりません。
相続人の中には、遠方に住んでいる方もいらしゃいます。
病んでいる方もおられます。
小さなお子さんを抱える女性もいらっしゃいましょう。
頻繁に会することは、これまた困難です。
月1回とか、2回くらいが、精いっぱいのところでしょう。
必要なこととはいえ、無理はできません・・・・・。
その頻度の協議で、お互いの合意を得なければなりません。
十分な準備のもと、極め細やかな配慮が求められます。
そして、いずれやってまいります相続税の納付の段階では、「現金一括納付」が原則です。
一括納付するためには、それだけの現金を用意しておかなければなりません。
その選択肢の一つとして、先祖伝来の土地を売るなど、資金調達の方法も検討しなければならなくなるケースも出てまいりましょう。
行政書士 平 野 達 夫
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