先ずは、認知症の方を介護する家族の気持ちを理解いたします。
これに対して、どんな応援をすればいいのか考えてみることは、認知症の人を、その地域で支える活動の一環として、とても大切なことといえます。
家族の誰かが認知症になったとき、誰しも、ショックを受け、戸惑い、混乱に陥ります。
これを、たとえば、「介護者の心理的ステップ」としていいますと、以下の経験をすることになります。
その時期をできるだけ早く通り抜け、認知症の人の、「あるがまま」を受けいられるようになるためには、介護者の持つ気持ちの余裕というものが必要となってまいります。
この介護者の余裕とは、認知症本人や、その家族に対する周囲からの理解や介護サービスの適切な利用などによって得られるものと考えます。
「戸惑いと否定」とは、すなわち、異常な言動に戸惑い、否定しようとするこのおかしな言動を示し始めた親や配偶者に対する家族の反応、「あんなにしっかりしていた人が、まさか」という戸惑いや否定のことであります。
長年、一緒に暮らしてきた人を認知症と認めることは、その人の人格を否定するかのようにも感じられます。
正面からこの現実を見ることに、時には、戸惑いをさえ覚えます。
また異常な言動に気づき、それをほかの家族に打ち明けるべきかどうかで悩むのも、この時期の特徴ともいえましょう。
行政書士 平 野 達 夫
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