認知症になると、その場の状況が読めなくなります。

通常、自分の感情を表現した場合、周囲の反応は、ある程度は想像がつきます。


 私たちが育ってきた文化や環境、周囲の状況は、学習して記憶しているからです。

さらに、相手が知っている人なら、かなり確実に予測もできます。


 一方、認知症の人は、ときとして、周囲の人が予測もしない、思いがけない感情の反応を示すこともあります。


 それは、認知症による「記憶障害」や、「見当識障害」、「理解・判断の障害」などのため、周囲からの刺激や情報に対して、正しい解釈ができなくなっているからです。


 たとえば、「そんな馬鹿な!」という言葉を、その場の状況を読めずに、自分が「馬鹿」と言われたと解釈してしまいます。


 もしも、そのように解釈した認知症の人に、ストレートに怒りの感情をぶつけられたら、怒られた人は、びっくりしてしまいますね。


 認知症の人の行動が分かっていれば、少なくとも、それが本人にとっては、不自然な感情表現ではないことが理解できます。


      行政書士  平 野 達 夫

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