人間には、目や耳からとらえたたくさんの情報を持っています。

関心のあるものを、一時的にとらえておく器官というがあります。

この器官を「海馬」、仮に「イソギンチャク」と呼ぶことにします。


 重要な情報を、頭の中に保存する「記憶の壺」というものが、脳の中にあると考えてみましょう。


 いったんこの「記憶の壺」に入りますと、普段は思い出さなくても、必要なときに情報を取り出すことができます。


 しかし、年をとると、このイソギンチャクの力が衰えてまいります。

一度にたくさんの情報をつかまえておくことが、出来なくなってまいります。


 情報をつかまえても、「壺」に移すのに手間取るようになってまいります。

「壺」の中から必要な情報を探し出すことも、ときどき失敗します。


 年をとって、もの覚えが悪くなります。

ど忘れが増えるのもこのためです。


 そのような時も、イソギンチャクのの手は、それなりに機能しています。

二度三度と繰り返しているうちには、大事な情報は「壺」に収まります。


 ところが、「認知症」になりますと、イソギンチャクの手が衰えてしまうため、「壺」に納めることができなくなります。


 すなわち、新しいことを記憶できずに、先ほど聞いたことさえ思い出せないのです。


 さらに、病気が進行しますと、「壺」が溶け始めてまいります。

覚えていたはずの記憶さえも、失われていきます。


      行政書士  平 野 達 夫

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