同意権について


(1) 同意権とは


 被保佐人は、民法第13条1項各号に定められている行為と、家庭裁判所で特に定めた行為を行う時、あらかじめ保佐人の同意を得る必要があります。

この時、保佐人が被保佐人に同意を与えるかどうかの判断をする権限を、「同意権」といいます。


(2) 同意権の行使


 被保佐人の行為に同意する場合には、契約書等に被保佐人が署名押印した後に、「上記行為(又は契約)に同意します。」などと記します。


 たとえば、「被保佐人○○○○保佐人△△△△」として、保佐人は署名押印します。


 被保佐人が保佐人の同意を得ないで、民法第13条1項各号に定められている行為や家庭裁判所で特に定められた行為をした場合には、保佐人はこれを取り消すことができます。

または、保佐人は取り消さずに、「追認」することもできます。


 取消権の行使は、保佐人から相手方に対する意思表示により行います。

少なくとも、契約などの法律行為を特定し、それを取り消す旨を表示することが必要です。


 例えば、「被保佐人○○と貴殿とが××年××月××日にした□□の売買契約を取り消す。」で足ります。

 更に、問題の解決方法、精算のための示談を望むとか、民事訴訟を提起するなどを示すこともありましょう。


 なお、口頭でも取消の効力は生じますが、争われたときの証拠として、「内容証明郵便」で通知しておくことが望ましいでしょう。


      行政書士  平 野 達 夫

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