「相続放棄の取消」の申述については、家庭裁判所で受理の審判がなされても、この受理の審判は、「相続放棄」の申述と同様に、一種の公証行為といえます。


 相続放棄の取消の効力を、確定するものではありません。

先になされた相続放棄の申述受理審判は、そのままににしておかれます。


 すなわち、相続放棄と並んで、取消の受理審判がなされるわけです。

結局のところ、取消事由の有無は、民事訴訟によって判断されることになります。


 なお、相続放棄申述書が偽造で、他人が無権限に署名捺印を冒用したものとか、相続の対象その他に、要素の錯誤があった場合には、受理された相続放棄の申述は、当然ながら無効と言えます。

判例・学説とも、一致して認めているところです。


また、この無効を主張するためには、特に家庭裁判所に申述する必要はありません。

いつでも、裁判外、裁判上において、その無効を主張することができます。


       行政書士  平 野 達 夫

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