息子の嫁さん、社会保険労務士雅美先生からFAXが入りました。

それは、孫のT君・K君の授業参観のお知らせです。


 二人が通う小学校が、この春、待望の新校舎が落成したばかりで、装いも新たな校舎・教室での授業参観です。


 雅美先生は、保育園の時からずうっとこのかた、運動会や発表会・参観には、私ども老夫婦に出席の案内をくれるんです。


いやぁ、その度、おじいちゃんもおばあちゃんも、何だかとても嬉しくて、毎回欠かさずに参加して来ました。

今年K君は小二、T君は小六になりました。


 先日の金曜日、私はいつものように、揚々と学校の門扉を開け入りす。

持参したスリッパに履き替え、受付でもらったネームプレートをしっかりと胸に付け、彼らの教室に向かいました。


ところで、参観に来られるかたは、ほとんどが若いお母さん方です。

お父さんも、たまにお見かけしますが、数は少ないです。


祖父・祖母なんて、まず稀でしょうか。

70才を迎えた私など、正直ちょっと、恥ずかしいいところです。


 エレベーターで2階に上がり、そこは2年生のK君の教室です。

一礼して、私は入ります。


まだ、どなたも参観の方はいません。

私一人です。

大丈夫かな・・・・。


何故か、すぐに先生と目が合ってしまいました。

いやぁ、どうしよう。

私は軽く会釈します。

先生が、ニコッとされたように思います。


生徒の皆が、いっせいに、私の方に目を向けます。

そして言います。「あのおじいちゃん、誰のおじいちゃん!?」て、あちこちで発します。


「君のおじいちゃん!?」

「あなたの・・・!?」と、互いに話すのが聞こえてきます。


私は、小柄で、小太りで、頭が禿げています。

生徒皆のやり玉にあがっているようで、少々恥ずかしくもあります。


黒板に書いた字の様子から、授業は、国語の「日本語」学習のようです。

暫くして私は落ち着きを戻し、教室内を見渡します。

孫のK君は、どこかなぁ~・・・・・・。

いた、いた、居ました。


K君は、おじいちゃんの方を見ないようにはしています。

でも直ぐに、こちらおじいちゃんの方に、お隣の席の影から、目をやっているのが分かります。


K君は、どちらかといえばチビッ子ですが、運動神経は良く、キビキビしていて、とてもとても、可愛いんです。

クラスの人気者なんです。


 でも余り、私は勉強の邪魔にしてはいけません。

そろそろ引き上げた方が、宜しいようです。

先生と黒板の方に向け、軽く一礼して、私は教室を出ました。


 続いて、小六T君の参観への移動です。

エレベーターで4階へ向かいます。

小六は二組あって、手前の部屋がT君参観の教室です。


ガラスドアの外から教室内が見えます。

外人の先生で、英語の授業のように伺えます。


ところで、生徒の皆は、大きいです。

前の部屋が小二でしたので、なおさら大きく見えるのでしょうか。

男の子も、女の子も、大きく成長しているんですね、・・・・頼もしいです。


 私は、勇気をもって、ドアを開け、教室内へ入ります。

「What are your name ?」と、先生が問いかけ、皆からそれぞれ返答を求めています。


あっ、T君がいました。

先生の質問の順番が、迫っているようです。

私の方を見て、そっと手でやります。

「帰って、帰って」と、動かします。


いやぁ、これは、まずい。

私は、早々に、一礼して教室の外に出ます。


 T君の気持ち、良く分かります。

私だって同じ立場だったら、そうしますよ。

T君、ごめんね・・・・・。


 T君は、今六年生です。

小学校最後の授業参観でした。

来年は、いよいよ中学生です。


 おじいちゃん、おばあちゃんに、いろいろ楽しい思い出をありがとう。

これからも、頑張って下さいね・・・・。


     行政書士  平 野 達 夫

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