被相続人の持つ負債、或いは、被相続人の病気治療等にかかる可分債務は、共同相続人間において、各々の相続分に応じて承継することになります。
すなわち、これは、遺産分割の手続といったものを経ずに、当然ながら分割されることになるわけです。
したがって、遺産分割の対象にはならないとする扱いが、大勢をしめています。
昭和43年の大阪高裁の判決を例にとってみましょう。
この判決にでは、次のように述べています。
「被相続人の住宅金融公庫に対する債務を、先ずは分割により当該家屋を取得する相続人の一人に引受けさせ、分割による家屋取得の代償として、同相続人が他の相続人に負担すべき債務額から、その引受債務額を控除して、その支払を命ずる」というものです。
行政書士 平 野 達 夫