自宅の土地・家と同じように、亡くなった被相続人が長らくやってきた家業を継ぐ子にとって、その店舗や建物は必要で、無くてはならないものです。

農業を継ぐ人にとって、その農地は欠くべからざるものと言えます。


それら財産について、もし相続人の間で分割するとしたら、事業継承は成り立ちません。

折角の子としての親の家業を継ぐ思いは、事実上不可能にきしてしまいます。


すなわち、財産を分割する意味は、全くありません。

それらは、そのままそっくり、事業を継ぐ人に貰ってもらうべきものです。


他の相続人が、「早くそれらを売って、金にして、こっちにも少しはよこせ」という筋合いのものでもありません。


法定相続分として、相続人同士で、「どうこうする」というような筋合いの話でも、勿論ないことも事実でしょう。


そもそも法定相続分は、「このように分けなさい」という強制規定ではありません。

ここでは、やみくもにも法定相続分に従う必要は、まったくないものと言えます。


良識ある相続人皆で、英知を巡らし、よくよく話し合ってまいりたいものと思います。


     行政書士  平 野 達 夫

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