「贈与」と「遺産分割」の関係を、少し考えてみます。
ここに、夫婦ともに裕福で、子供が3人います。
そのうちの2人の子どもは、安定した職業に就き、それなりに生活には余裕があります。
ところが、他の1人は体も弱く、日頃から病気がちで、これはという仕事に恵まれず、生活がとても苦しいというような一家があったとします。
そのような場合、親が安定した収入が得られる賃貸マンションなりアパートなりを持っていたとしたら、どうでしょうか。
いっそのこと、その生活の苦しい子に、これを生前贈与するというのも一つのやり方ではないかと思います。
そうすれば、贈与を受けた子は経済的に安定しますし、相続の開始まで親が所有していた場合に比べて、親の財産の積み上がりを防止することができます。
そうです。相続税の対象となる財産を減らすことができます。
もし、贈与しない形でいますと、賃貸物件がそのまま相続財産として残ってしまいます。
相続人の間で遺産分割の対象となるときには、必ずしも、その生活の苦しい子が、これを取得できる保証はありません。
生前に贈与してしまえば、それはその子のものとなり、他の子がこれを取得してしまうというリスクを、防ぐことができます。
生前贈与は、あくまでも親の意思であり、重みがありましょう。
その思いは、尊重されてしかるべきもので、他の子供たちも、そうそうは反対はできないでしょう。
きっと、他の2人は、これに代わる遺産を相続することでしょう。
あなたは、「生前贈与」をどう考えますか。
ちょっと気懸かりがないとは言えませんか・・・・。
行政書士 平 野 達 夫
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