法律的に不備がなければ、「遺言書」として万全と言えるでしょうか。
日ごろ被相続人の看護をしてきた子が、「4分の1」、まったくと言って被相続人の面倒を見てこなかった子が「4分の3」の財産を相続するという内容の遺言書であったとしたら、ことはどうなりましょう。
法律上の不備はないとしても、やはり長年看護してきた子として、感情的には納得できないものも出てまいります。
「法定相続」と異なる相続分を指定する場合は、何故そのようにしたかの理由を付することが、求められてしかるべきです。
後々相続人同士がもめないためにも、必要なことと言えます。
遺言書の中で、その理由を記すものを、「付言事項」と言います。
遺言の内容として法律的に意味があるものではありませんが、残された遺族の円満な関係を希望している旨が、遺言者の生の言葉でつづられているとしたら、どうでしょうか。
これは後々の争いを防止する効果として、大いに期待できます。
お分かり頂けますか・・・・・。
相続人が複数いるケースでは、相続の解決は容易ではありません。
多くはもめると言っても過言ではありません。
遺言書を作成すれば、かなりの確率でもめごとを防止できます。
そして遺言書に不備がなく、更に相続人の感情をも配慮した「付言事項」の記載があれば、その確率はさらに高いものとなりましょう。
まさしくそれは、もめ事の回避に役立ちます。
被相続人としての遺言者の気持ちと、後々の相続人の立場をも十分捉えた「遺言書の作成」を待ちたいものです。
行政書士 平 野 達 夫
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