会社の創業者であった父が、先日亡くなりました。

長男である私は、父の片腕として会社の発展に尽くしてきました。

この際自分としては、会社の株式・工場・店舗を取得して、現状のまま,父の事業を承継したいと考えています。


しかし、弟2人は、今まで会社の経営に参加したこともなかったにもかかわらず、私が会社の財産を取得することに、「それは不公平」と主張してきました。

亡き父の事業を継続するためには、何をすべきでしょうか。


○ 弟2人の本当の要求が、経営の参加ではなく、財産の取得にあるといたしますと、「代償金」を弟2人に支払って、自分が単独で株式・工場・店舗を取得をすることを認めてもらうよう、つとめることになりましょう。


ここで、弟たちに「代償金」を支払えない場合、或いは、弟たちが会社の経営参加まで目論んでいる場合です。

法定相続に従えば、弟2人は、それぞれ3分の1ずつ、株式など事業用財産を取得できます。

そうしますと、弟2人で合わせて3分の2の株式を保有することになります。


弟2人が、株主総会で、あなたを解任することも可能となります。

ここで若し解任されては、あなたは事業を承継することができません。


代償金が支払えない場合、或いは、弟たちが経営参加を望むとしますと、やはり調停に持ち込むことも考えなければならなくなります。


なお、事業用財産は、それを売却してしまうと、事業の承継は、はなはだ難しいものとなりましょう。

今まで述べてきた土地や家屋と違い、売却して換金して解決するのとは、訳が違います。


     行政書士  平 野 達 夫

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