よく、「遠くの親戚より、近くの他人」と言います。

独立して遠くに暮らす自分の子供より、生活を共にしているうちに、実際の親子のように思える間柄になった長男の嫁に、自分の財産の一部を分けてあげたいと思うことは、ごく自然のことと言えましょう。


まして、自分が老齢になり、病で床に臥しているときに、嫁さんが献身的に看病してくれたとしたら、その思いは、一層強いものになることでしょう。


もしも、私がそのような境遇の中に居たとしたら・・・・・。

そのように優しく看病してくれる嫁さんには、出来るだけのことはしてあげたい。

やはり私も、全く同じ気持で考え、対応します。


しかし、法定相続人としての子供達からみれば、それはどうでしょうか。

同居している長男の嫁は、親の面倒をみてそれが当然なことだと、彼らは口には出さないまでも、思っているかも知れませんね。


したがって、親が財産を長男の嫁にあげようということになれば、それは複雑です。

自分の親の世話をしてくれたことに感謝しつつも、何でそこまでするの・・・・・。


そうです。彼らの中には、何もそこまでする必要はないのではと、主張してくる人もあるかも知れません。

それはそれは、簡単にはまいりませんね。


長男の嫁という立場では、法定相続人にはなれません。

すなわち、皆さんもご承知のように、相続人の配偶者は、相続人にはなれないのです。


そこで、長男の嫁さんには、遺言書の中で、財産を残してあげる方法です。

たとえば、「長男の嫁である〇〇さんに、△△の財産を残す」と、遺言書に明確に書き記します。


     行政書士  平 野 達 夫

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